やりなおす経済史

2021-09-29 13:56:16 | Book
ざっと振り返るには良いが、いろいろツッコミどころはある。
2014年刊行のため終章でアベノミクスを評価しており、経済学は過去は分析できるが、将来を予測できないことがよくわかる。
経済学者の中で唯一ケインズだけが、使える経済理論を構築出来ており、ケインズの功績がいかに大きいかがよくわかる。

 
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われらが痛みの鏡

2021-09-28 09:35:20 | Book
ピエール ルメートルの戦争三部作完結編。 力作だが、キャラクターに共感できず、正直物語世界に入り込めなかった。

 
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死刑執行人サンソン

2021-09-16 11:36:47 | Book
事実は小説よりも奇なりとはよく言われるが、サンソンの人生はまさにその言葉を反映している。

職業選択の自由が限られ、世襲で処刑人の家に生まれたサンソン。国王の命により国家の治安を守るために必要な職業でありながら、人を殺すという軍人とやっていることは同じでありながら、学校でも買い物でも差別され、処刑人の傍ら施しや医療で貧しい人々を救いながらも市中の人々から蔑視される。

革命により平等の世が来た、処刑人にもまた市民権が与えられると思いきや、今まで仕えてきたルイ十六世の首を切る。四肢を馬で引き殺す残虐な刑罰に反対し、罪人の苦しみを最小限にするために一撃で執行できるギロチンの発明が逆に大量の虐殺を生み出す。

死刑は廃止されている国が多く、残念ながら日本では未だに死刑制度の存続を望む声が多いが、死刑には当然のことながら執行する人間がおり、死刑囚だけでなく執行人の魂をも残酷に傷つける制度であることを、皆が理解しなければならない。

自分が執行人になれるか、自分の家族を執行人にしても良いと思っているのか、それを真剣に考えたい。

 
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ゴジラvsコング

2021-09-15 17:06:34 | Movie
まさに怪獣映画の王道で、めちゃくちゃ面白かった。
ゴジラVSコングで2時間も持つのだろうかと杞憂したが、ネタバレなしで観に行ったのが正解だった。
しょぼかった日本のゴジラがここまでかっこよくなったことには、円谷監督も大満足なのではないか。
昔のスタートレックなっかもそうだが、多少映像的に難があっても面白い作品を作れれば、後からリメイクでもなんでもして蘇ることもあるので、エンタメは面白さこそ正義なのだと思う。

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誰も書けなかった防衛省の真実

2021-09-12 10:59:43 | Book
防衛や安全保障に関しては、皆が好き勝手なことを言っているが、自衛官出身の元防衛庁長官という経歴の著者による、現在の(といっても10年前だが)防衛省の赤裸々な実体と解決すべき課題についての説明は、そこらへんに転がっているインチキな書籍とは全くレベルが違っている。

そもそも自衛のための軍事組織が簡単に海外で活動できるわけもなく、防衛装備という機密に守られた物資の調達には常にグレーゾーンが発生する。

そして、財務省により財布の紐が締められ、防衛省の高官人事は他省庁から多数派遣されている状態では、文民統制どころか、機能不全になっていると言っても良いだろうし、MPや軍事法廷がないというのも、省内トラブルの解決を難しくしている。

装備や個々の隊員のレベルは世界屈指だが、様々な要因によって組織としては二流という実体はもっと国民が理解すべきで、先制攻撃が~とか、ミサイル基地が~、というレベルでなく、軍隊として機能すべき組織改革が何よりも必要なのだと思う。

 
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ファウンデーション ―銀河帝国興亡史

2021-09-08 17:23:57 | Book
遅ればせながら、ファウンデーションシリーズを手に取った。
まるで超人ロックや、ガンダム00のようだ。もちろん、当然のことながら本書の方がずっと先に刊行されているので、本書がいかに後世のSF作品に影響を与えたかがよくわかる。
心理歴史学という未来予測技術に基づいて組織されたファウンデーションが、試練を乗り越えながら成長していく過程は、戦国時代の国盗り物語や、シミュレーションゲームのシヴィライゼーションのようでとても面白い。


 
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悪意

2021-09-05 03:15:16 | Book
スウェーデンで数々の賞を受賞した作家の短編集だが、一言で言うと面白くなかった。
とにかく一作一作の文章があまりにも冗長で、物語にスピード感がなく、いかにも文学文学した思わせぶりな作風で、ラストの謎解きにカタストロフィがない。
もうミステリーはやりつくされているため、謎解きの面白さは出せないので、社会派や文学作品として読める方向に行くしかないのだろう。
そう思うと、未だに純粋に謎解きの面白さを追求するディーヴァーは稀有な存在なのだと、あらためていかに凄い作家かがわかる。

 
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厳寒の町

2021-09-01 17:15:00 | Book
エーレンデュルシリーズ第5作。
アイスランドで移民の少年が殺された。人種差別による殺人なのか。

前作に比べてストーリー展開にところどころ、腑に落ちない点が多く、被害者家族の行動も不可解で、日本とアイスランドの文化の差ゆえか、少年犯罪に対する向き合い方に違和感を感じた。

次作への伏線なのか、投げっぱなしの設定が気になった。

 
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