アマルフィ

イタリアで日本人が活躍しすぎる映画版よりは、現実味が増した話になっているが、その分、エンタメ要素は低い。
どちらも、監視カメラの映像のトリックが非現実的過ぎる。googleが全社あげても、この犯罪は出来ないだろう。
多少非現実でも、映画では勢いでごまかせるが、小説では説明すればするほど無理が出る。
そもそも映像化前提の作品なので、仕方のないことではあるが。

アマルフィ
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英国王のスピーチ

アカデミー賞受賞の前から、期待していた作品を、ようやく観ることができた。
感想として、確かに良く出来てはいるのだが、世間の評価ほどにはピンとくるものが無かった。
語る言葉がないと王としての存在意義がない、という思想の切実さが、言葉で説得する必要のある西洋と、以心伝心の日本では、文化が違うせいか、いまいち切実感がない。
ジョージ6世の努力する姿勢と忍耐強さ、誠実な人柄には感銘した。

冬の少年

映画「ニコラ」の原作とのことだが、映画は観ていない。
平易で読みやすい文章のため2時間ぐらいで一気に読めるが、ラストが非常にせつない。
現実にありえるシチュエーションのため、複雑な気持ちになる。

冬の少年
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姜維伝 諸葛孔明の遺志を継ぐ者

三国志は、漫画、アニメ、映画といろいろな作品があるが、ほとんとが孔明の死で終わっており、孔明没後を舞台にしたものはこの小説ぐらいではないだろうか。

絶対的に国力に差があり、また、圧倒的な存在だった孔明の後継者として、勝算のない無謀な北伐を続けざるを得ないというのは、なんなんだろうか。人生に運不運はつきものだと思うが、滅びるとわかっている組織の責任者として生きていくのは、辛い人生だろう。

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夏への扉 ～ キャラメルボックス

アメージング・グレイスを観に、銀座テアトルシネマに行ったところ、たまたま、同じビルで上演しており、当日券も売っていたので、衝動的に鑑賞した。
演劇には全然興味がないため、キャラメルボックスという劇団を知らなかったが、当日キャンセル席以外は満席となっており、人気のある劇団のようだ。客層は学生が結構多かった。

夏への扉は、ハインラインの中でも一番好きな作品で、どのように舞台化されるのか楽しみだったが、至って真面目に舞台化されており、猫のピートの擬人化もユーモアがあり、セットの変化もスムーズだった。2時間で原作の全てを演じたため、若干台詞を詰め込みすぎているような感じもしたが、膨大な量の台詞を言いよどむこともなく、役者というのはたいしたものだと思った。

アメージング・グレイス

西洋による植民地支配で奴隷貿易が行われていたこと自体は知識として知っていたが、ウィリアム・ウィルバーフォースというイギリスの政治家が奴隷貿易廃止に尽力したことをこの映画で初めて知った。
奴隷貿易廃止を主張しても、イギリスの経済に与える影響や、たとえイギリスが廃止してもフランス等イギリス以外の国が穴埋めするという理由で反対され、廃止までの道のりは困難に満ちていたが、20年に及ぶ粘り強い活動により奴隷貿易廃止法案を成立させる。
ウィリアム・ウィルバーフォースのような行動が出来る人は一握りだと思うが、ウィリアム・ウィルバーフォースを支えた多くの市民たちのように、普通の人間にもできることはあるのだと思った。

スクール!!

3月にして今年最高のドラマ決定。最終回は途中からずっと泣いていた。
小学校のリアルな問題に正面から向き合った社会派ドラマでありつつ、エンターテイメントとして飽きないストーリーを持った、まさにドラマチックサンデーの名のとおり、観ることで元気が出る熱い作品であった。
全10話の中で、学習遅れの児童、教師に対するいじめ、貧困、DVと深刻なテーマを取り上げており、それぞれの問題を、現実離れしないよう安易な解決にはしないながらも、希望を持たせた絶妙なバランスの後味のよい仕上がりとなっていた。

SP 革命編

野望篇とは打って変わって、まともなストーリーとなり、映画らしいスペシャル版になっていた。最初からこちらを上映して欲しかった。
あいかわらず、銃を持っているのに、何故か格闘で正々堂々と勝負したり、攻めるときにはプロらしい手際なのに、守りに入ったとたん素人同然になるテロリスト達の不可解な行動に目をつぶれば、国会議事堂の占拠シーンや個々の戦闘シーン等、迫力があってよく出来ていた。エンディングを迎えても、消化されない伏線がいくつかあるので、そのうち、スピンオフ作が出るかもしれない。

友を選ばば

朝鮮妖術と柳生を舞台に伝奇小説を書いてきた作者が、三銃士の主人公であるダルタニアンを主役に、ヨーロッパを舞台に虚実乱れる伝奇小説にチャレンジしたが、かなり消化不良。
戦闘シーンに全然迫力がなく、ストーリー全体にも魅力がない。イギリスを舞台にしたことで、かの有名な生物が出てくるのはお約束だが、モスラを登場させたときのような、ぶっ飛び感がない。
ちょっと、疲れてしまったのだろうか。

友を選ばば (100周年書き下ろし)
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獣の奏者 探求編・完結編

王獣編で、ハッピーエンドで希望を持たせるエンディングで終わっていたが、それを覆すような、暗雲漂う展開となっている。
ファンタジーとしては、王獣編までで終わらせたほうが読後感が良かったと思うが、続編がでたことで、良かれ悪しかれリアリティが上がり、現実味のある話となった。
小野不由美の十二国記もそうだが、もともと少年少女向けに書かれた話が、読者層の拡大ゆえに奥行きを持たせようとするためか、爽快さが無くなっているように思われる。

獣の奏者 (3)探求編
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獣の奏者 (4)完結編
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