天国でまた会おう

「その女アレックス」のピエール・ルメートル作品だが、作風が全然違っている。
謎解き要素はなく、いわゆるコンゲームものだが、丁々発止する場面がほとんどなく、騙す方と騙される方が独立した群像劇のようになってしまっている。

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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サウルの息子

期待していたほど面白くはなかった。
とにかく全編手振れ映像で、しかも、アップの長回しのため、映像が非常に見にくい。いい加減、手振れ＝臨場感のような、バカな演出はやめてほしい。
しかし、アウシュビッツで、ゾンダーコマンドが無言で、ガス室で殺されたユダヤ人の死体を運んだり、血で汚れたガス室を清掃するシーンは、かなり衝撃的。
同胞に虐殺後の処理をさせるとは、あまりにもひどすぎる。
目を背けてきた事実を世界に突きつけた価値はあると思うが、監督のセンスが自分とは相いれなかった。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 3 暁の蜂起

前2作よりも面白い。
シャーの腹黒さと優秀さ全開。やはり、ガンダムは戦争ロボットアニメなので、戦闘シーンが出てくると俄然面白くなってくる。
モビルスーツの映像もだんだんと出始め、次回作に期待がつながる。

アイアムアヒーロー

原作未読。正確には一巻途中で面白さがわからず断念。
映画は、いい意味で普通のゾンビ映画で、序盤のパニックシーンからカーチェイスまでは、いままでの日本映画とは一線を画す素晴らしい出来。ハリウッド映画と全く遜色ない。
しかし、中盤が低予算館丸出しの群像劇で、ゾンビの特殊メイクはいまいち。更に終盤は、いまいちの特撮としつこいぐらいのスプラッターと、同じ人間が監督しているとは思えないほど、クオリティの差が激しい。
大泉洋の演技は素晴らしかった。

緑衣の女

「湿地」に続くアイスランドを舞台にした警察小説。
前作よりも格段に面白い。新興住宅地で発見された人間の骨。トリックを暴く謎解き要素はあまりなく、第二次大戦中の過去のドメスティック・バイオレンスが絡んだ人間ドラマを描いており、日本での「半落ち」とかが好きな人には合うだろう。

緑衣の女
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シビル・ウォー／キャプテン・アメリカ

ヒーロー同士の異なる正義感のぶつけ合い。テーマ的には、「バットマン vs スーパーマン／ジャスティスの誕生」と同じだが、完成度はこちらの方がはるかに上。
いままでのマーベルシリーズで個々のキャラクターをきちんと描いてきことが、非常に効果的で、中盤のキャプテンチームVSアイアンマンチームの戦いが非常にもりあがる。
お約束ではあるが、飛行能力を持つ同士、格闘能力高い同士、コミカル担当同士と、それぞれの戦いをうまく見せており、初登場の新スパイダーマンも見せ場がたっぷりあって良い。逆にアントマン等、観てない人にとっては、彼の能力やなぜ彼がアンチスタークなのかわからないのではないか。
いかにも続編に続く的なラストも、他のシリーズ作品と違い打ち切りになる可能性は低く、続編が出るという安心感あってこそ。
マーベルの作品群を新作が出る度にリアルタイムで観ることが出来たことは本当に幸運だと思う。