貧しき人々

2016-10-23 10:46:38 | Book
ドストエフスキーデビュー作。
中年の貧乏役人「マカール」と、薄幸の乙女「ワーレンカ」の半年間の文通を綴る。
とにかくマカールが鬱陶しい。貧乏なくせに借金したり身の回りの物を質に入れたりしてワーレンカに次々とプレゼントし、自分がいかに身を削って貢いでいるかを恩着せがましく延々と語る。ワーレンカも、そんな気遣いはしなでくれといいながら、くれるものはもらい続ける。
翻訳が読みやすい現代文で、原文が1846年に書かれたとは思えないほど、今読んでも違和感がなかった。

貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)
貧しき人々 (光文社古典新訳文庫)フョードル・ミハイロヴィチ ドストエフスキー 安岡 治子

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シブミ

2016-10-10 10:23:31 | Book
ドン・ウィンズロウが続編を書いた「サトリ」のオリジナル。
こちらの作品で語られる主人公の生い立ちから、一作品を書き上げたウィンズロウはたいしたもの。
原作者がアメリカ人作家にもかかわらず、太平洋戦争及び戦後のアメリカの欺瞞を、東京大空襲や東京裁判を題材に皮肉っているところが面白い。
ラストサムライと同様に、戦後に失われた(?)古き良き日本精神を会得した、凄腕の殺し屋が活躍するのだが、前後編2巻のうち、まるまる一巻を使って主人公の内面を描いている。構成はユニークなのだが、いざ行動を開始すると、あっけないほど簡単に話が進んでいくため、冒険小説としては物足りない。

シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)
シブミ〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)トレヴェニアン 菊池 光

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サトリ

2016-10-10 10:17:25 | Book
トレヴェニアンの「シブミ」の主人公ニコライ・ヘルの。若かりし頃の前日譚を、別の作家が書くという試みだが、オリジナルを読む前に、こちらを先に読んでしまった。
第二次世界大戦後のアジアを舞台に、ロシア貴族の地をひく日本育ちのニコライが、共産党支配下の中国から、ベトナム戦争前のサイゴンを舞台に繰り広げる活劇が、当時の国際情勢や空気感が感じられて面白かった。

サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)
サトリ (上) (ハヤカワ文庫NV)ドン ウィンズロウ Don Winslow

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ジェイソン・ボーン

2016-10-10 10:12:41 | Movie
続編というよりも、スピンオフのような作品。
ボーンの自分探し自体は3部作で終わっているため、ファンサービス用に、三部作テイストで久しぶりにボーンを復活させたという感じ。
アクションシーンは相変わらず切れがあり、最初から最後まで飽きずに見ることができる安心感はあるが、007のようなマンネリ感のシリーズになったことは、果たして良いことなのだろうか。
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ハドソン川の奇跡

2016-10-01 09:38:17 | Movie
日本でも何度も話題となった、ハドソン川の奇跡。
バードストライクにより2基のエンジンが機能不全となるが、サレンバーガー機長の冷静な判断力と、巧みな操縦技術で、ハドソン川への緊急着水で、乗客乗員全員が生還するという奇跡を成し遂げたのだが、その後の事故調査委員会では、近くの空港へ着陸出来たのではないかと追及される。
例え英雄扱いされる機長に対しても事故原因を徹底追及する調査委員会の姿勢と、結果的には、サレンバーガー機長が奇跡的な偉業を成し遂げたという事実が、単なる感動話では終わらない作品になっている。
「キャピタリズム マネーは踊る」でも、サレンバーガー機長が登場するシーンがある。短い議会証言シーンだが、もう一つの真実がある。
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