ドラッグ・ウォー 毒戦

「新しき世界」と二本立てだったせいもあり、いまいちピンと来なかった。
中国では麻薬犯罪が厳しく、麻薬密売をすると死刑となる状況を背景に、捕まった密輸版が罪を軽くするため警察に協力して、密売相手の情報を提供する。
捕まった密売人の、協力するか裏切るか最後までわからない姿勢や、悪役が個性的なところが面白いのだろうが、いまいちノレなかった。

新しき世界

池袋の新文芸坐にて鑑賞。今年の2月に公開されていたらしいが見損ねていた。
潜入捜査官ものは、インフェナルアフェアの完成度が図抜けて高く、リメイク版がハリウッドや日本で作られたが、本作はリメイク版よりもずっと、インフェナルアフェアが持っていた、緊迫感と迫力に近いものがあった。
マフィアに潜入し幹部にまでなった潜入捜査官が、マフィアのボスの死亡により任務完了のはずが、警察幹部から潜入を続行しないと正体をばらすと脅され潜入捜査を強制される。ボスの後継争いに巻き込まれる中、マフィアに雇われたハッカーにより警察資料が盗まれ、潜入捜査官が次々に処刑されていく。
最初は潜入捜査官ということもあり、あまり存在感を出していない地味な主人公が、命の危険に晒される中、マフィアで心を許した兄貴分と警察の間で、じわじわと抜き差しならない状況に追い込まれ、生き延びるための決意を固めたあたりから、どんどんと存在感を増してかっこ良くなっていく過程の演技が素晴らしい。
今年観た中で今のところNo1の素晴らしい映画だった。