先日、日本の領土とされている尖閣諸島に香港の活動家団体が上陸したが、日本は出入国管理及び難民法違反で逮捕したものの、対応を持て余した挙げ句、公務執行妨害罪などには問えないとし、強制帰国させてしまった。テレビで見ると、国へ帰った彼らはもはやヒーロー気取りである。
尖閣諸島が本当に歴史的に日本の領土なのかはよくわからないが、まあわが国の公的見解により日本の領土だとして考えると、出入国管理及び難民認定法は、旅券を持たずに入国した者を処罰するような規定であり、今回のような国の主権を脅かすような行動とはまったく次元が違う話である。
刑法に内乱罪というのがあるのを思い出した。条文の順番からかなり最初の方で習うのだが、試験にはまず出ないところだ。国の領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、首謀者は、死刑又は無期禁錮に処することになっている。きわめて重罪である。
この条文も別の意味でちょっと次元が違い、そのまま今回の行為に適用するのは難しそうである。しかし、自分は別に愛国主義者ではないが、国の主権を脅かそうとする者に対し、もう少し現実的に刑法で罰せられるようにすることが必要なのではないだろうか。一方では、侮辱を加える目的で外国の国旗を焼いただけでも2年以下の懲役になるのである。
その後、東京都などの地方議員も尖閣諸島に上陸したが、こちらは何と軽犯罪法違反にしか問えないそうだ。しかも逮捕、起訴は政治的判断から見送られそうである。軽犯罪法の「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」に該当するのだろうか。拘留又は科料の微罪である。これもちょっと次元が違うと思うのだが。
ところで、ついに東京都まで尖閣諸島への上陸を申請したらしい。個人の土地に立ち入るのに何で国の許可がいるのか、何の法令に基づくのかは報道もされていないのでよくわからないが、この領土問題、おママごと政権にはなかなか対応が厳しい話である。
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