先日故後藤田元警察庁長官の参謀だった方々のお話を聞くことができた。当時は学生運動が盛んで、赤軍派による浅間山荘事件、東大闘争、日大闘争などの嵐が吹き荒れた時代である。その時も左翼系マスコミは、警察=敵と言う構図で報道していた。その辺りは現在と余り変わらない。尖閣ビデオ問題も最初既存マスコミ持ち込まれたが報道されなかったため、ネット配信を行ったそうだが、この件に触れるマスコミはない。
以下1963年当時のエンタープライズ佐世保港入港に伴う、騒乱で起きたマスコミの対応についての話である。
「『マスコミ批判になるがもはや私は現役ではないからよいでしょう。』と言うことで、このように一定の配慮をしているにもかかわらずある朝日新聞は実にいい加減な記事で警察批判をしたそうです。1963年米空母エンタープライズ佐世保入港に伴う反対運動が起きました。この時『日本の警察はベトナムでアメリカ軍が使用した毒ガスを使用した』と報道した新聞社がありました。デモに参加した学生の爛れたお尻を取材して、イペリットとか何とかを使用したと報道しました。朝日新聞の若い記者が○○さんのところに取材に来ました。『そんなモノ断じて使用していない。あなたにもわかるように説明してあげよう』と○○さんが言うと、『はい、○○さん是非お願いします』と朝日新聞の記者が答えました。そこで○○さんが『どこでガスを使ったか、考えてごらんなさい。佐世保市内の、しかも川があり向こう岸には市民病院がある。その場所で機動隊と衝突して、その時使ったんだよ。デモ隊はよいとしても病院にガスが流れ込んでごらんなさい。老人や子供がいるよ。そんな危険なガス使ったら死んでしまうじゃないか。もっときちんと言ってあげよう。軍隊が使うガスというものは、敵しかいない山野で、市民も何もいない所で使うんだ。相手がどんな形になってもかまわない。もう一つ有力な証拠を示そう。機動隊はガスマスクをかぶっていたかい。かぶっていなかっただろう。デモ隊や市民がどうなってもいいと言ったって、味方がやられるような武器は使えるか』と説明しました。朝日新聞の記者が『わかりました。本当にそうですよね。○○さん説明は明瞭です。』と言って帰って行きました。
しかし、その記者からしばらくしてから電話がありました。『○○さん非常に明解に判りやすくご説明いただきましたが、明日の紙面を見たらお怒りなると思います。私も憤慨してやめてくれとデスクに言ったけれど、デスクたちは承知しません。申し訳ないから私は電話であやまっておきます。』と言いました。
翌朝のその朝日新聞には『ベトナムで使用したガスを使用』と書いてありました。しかも横にはアメリカ兵がベトナムでガスマスクをかぶっている写真まで載せてありました。○○さんは怒るより呆れてしまったそうです。
機動隊が使用する催涙ガスというものは涙が出るのだから多少ながらも刺激物です。また、多量の水を学生に放水しますからコンクリートの橋の上に少しは溜まります。デモ隊の学生たちは座り込んで抵抗するわけですから、お尻が濡れますので多少爛れることもあります。まさかデモの後、『風呂に入れ』とは機動隊側からは言えませんから。」
現在のマスコミはスポンサーの影響=広告代理店の影響が強く働くため、中国との経済的な損失は記事になり難いとの論評もあるが、NHKには関係がない。スポンサーは国であると言っても言い過ぎではない。NHKには広告代理店の影響力は民放ほど及ばない。しかし、日中記者交換協定の影響を大きく受けている。中韓による二重三重の罠にもマスコミは捕らわれ、「記事を配信できない」と某TV局を退職された方が話してくれた。
このようなマスコミから読者や視聴者が離れていくのは当然のことであり、それを止める手段をマスコミは持たない。問題はネット上の玉石混合の情報の仕分けを個人が行う必要があるということだ。