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読書と旅行と柴犬のブログ
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ヤプログから引っ越してきました。

書籍「直木賞/破門/ 黒川博行著」読み物として文句なく面白い

2014-08-13 13:15:03 | 読書の時間
書籍「直木賞/破門/ 黒川博行著」★★★★
黒川 博行 著 ,
角川書店 (2014/2/1)
(469ページ ,1.836円)

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第151回直木賞受賞作。

「映画製作への出資金を持ち逃げされた
ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。
失踪した詐欺師を追い、
邪魔なゴロツキふたりを
病院送りにした桑原だったが、
なんと相手は本家筋の構成員だった。
組同士の込みあいに発展した修羅場で、
ついに桑原も進退窮まり、
生き残りを賭けた大勝負に出るが——。」

(角川書店 HPより)


芥川賞作品と一緒に届いたので
「春の庭」を読んだ後
楽しみにページを開いた。
直木賞を獲らなければ
読まなかった本だ。


「疫病神シリーズ」の5作目ということだが
前作を知らなくても
特に問題は無かったが、
シリーズ物はやはり
前作からの繋がりはあるわけで
これを読んで
前作も読みたいと思った。


建設コンサルタントの二宮が主人公、
コンサルタントと言っても
ヤクザだった父親のコネで
その関連の仕事で
かろうじて暮らしている、
ヤクザ稼業も勝ち組と負け組があるのか、
それにぶら下がるような生活は
そんなことってあるんだろうなと思いつつ、
自分の気ままな生き方を続けたいなら
それなりの覚悟と言うか
そんなものは必要なんだと。



しかしこの主人公の性格は
この一冊だけでは判断しかねる

金の無心ならプライドは無くなるし
調子良い、
だからって、絶対に守りたい
そんな一線もそれほど感じない、
でも、何故か憎めないし
ヤクザの桑原との掛け合いも楽しい。



持ち逃げされた金の行方を追って
マカオまで飛び
カジノで負け戦に没頭する


ダメダメな主人公だからか
応援したくなるし、
なんとか良い結末をと願う。


もたついたところなく
一気にラストまで

文章に小気味いいリズムがあり
それで違和感なく読めるんだと感じる、
独特な世界観みたいなものは
ここからは感じないが
それは5作読んだ時また
印象が違っているのかもしれない。



他の作品も最初から読もう。


★100点満点で85点

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映画「ライズオブシードラゴン 謎の鉄の爪」見よ!この熱い映画魂!

2014-08-09 10:54:07 | インポート
映画「ライズオブシードラゴン 謎の鉄の爪」★★★★★大満足
マーク・チャオ、キム・ボム、ウィリアム・フォン、
ケニー・リン、アンジェラベイビー、カリーナ・ラウ出演

ツイ・ハーク監督、
133分 2014年8月2日公開
2013,中国;香港,ツイン
(原題/原作:狄仁杰之神都龍王)




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「西暦665年、唐朝の時代。
第3代皇帝・高宗と皇后の則天武后が
派遣した水軍艦隊が、
正体不明の何かによって壊滅させられてしまい、
海の神・龍王が原因だといううわさが広まる。
ちょうどそのころ、
ディー判事(マーク・チャオ)が洛陽に赴任。
龍王にささげる生けにえにされる若く美しい花魁(おいらん)
イン(Angelababy)の誘拐事件に関わったディー判事は、
水軍壊滅と龍王の因果関係と
事件の真相を突き止めるべく行動を起こす。」

ぴあ映画生活HPより


前作の「王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件」は
見ていないが、面白そうなので劇場へ、
これが大正解、とんでなく面白い映画に出会えた。


冒頭の海戦シーンは
頑張ってるけどショボさは否めない、
押し寄せる海水と舟の間は
明らかなCG処理で
迫力を出そうとしてるのは分かるが
どうにもチャチな感じ、
でも大画面いっぱいに
壮大なシーンを再現しようとする
心意気は伝わるし、
これでB級のノリ全開で楽しもうと腹が決まる。



主人公らしき人物登場、
つるっとしたイイ人顔で
コイツで大丈夫か?と思うが
ワイヤーで吊り吊りのアクションが始まると
もう物語に深く入り込んでいた



水軍艦隊を壊滅状態にした事と、
美しき花魁インが
生贄として選ばれるが、
何者かに誘拐されそうになる事件が
繋がっている事が明らかになり
謎解きの要素も見せる。

が、それよりも
そんなちゃんとした映画というより
ここでどんな見せ場を作るか
作り手が皆でアイデアを出しながら
「良い映画」より
「スゴク面白い映画」を目指した
そんな心意気が全編、随所に感じられて
とても幸せな時間を過ごした。



劇場は空いている
でもここで一緒に見てる人は
この映画の情報をどこかで手に入れ
楽しみにしてきた人達ばかりだろう、
大作のヒット映画とは違うのだから。


そんな人達と
出来の良い面白い映画を楽しむのは
やはり劇場での醍醐味だ。


主人公のパッとしない顔も
次第に頼もしく見えてくるから不思議だ、
皇后の則天武后役の役者が良かった、
すごい存在感で
こういう役者の存在が
映画を引き締めている。



見どころはやはりワイヤーアクションと
カンフーシーン、
思わず座席から身を乗り出す、

絶対にあり得ない戦いに
もう魔法にかかっているから
胡散臭さは微塵も感じない、
不思議で心地よい時間。

これはTVでは面白さは半減するだろう
劇場で見る事が出来てよかったし、
こんな地味な映画を拾って
上映してくれた劇場にも感謝。

前作を見ていないので
こちらはレンタルして
見て見よう。
次もありそうなので楽しみだ。

★100点満点で90点

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書籍「芥川賞/春の庭/柴崎友香著」いつもの風景は相当な変化が無い限り、目に留まらない

2014-08-06 10:00:12 | 読書の時間
書籍「芥川賞/春の庭/柴崎友香著」★★★☆
柴崎友香 著 ,
文藝春秋 (2014/7/28)
(141ページ ,1.300円)





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第151回芥川賞受賞作。

「離婚したばかりの元美容師・太郎は、
世田谷にある取り壊し寸前の
古いアパートに引っ越してきた。
あるとき、同じアパートに住む女が、
塀を乗り越え、隣の家の敷地に
侵入しようとしているのを目撃する。
注意しようと呼び止めたところ、
太郎は女から意外な動機を聞かされる…」

(文藝春秋HPより)


予約した本が届いたので
早速読んでみた、
芥川賞の作品ってどれも本が薄い
一緒に届いた、直木賞の「破門」が
470ページで1700円なので
その薄さが際立つ、
もちろん内容には無関係だけど
こうなったら内容で勝負してもらおう。



と、意気込んで
読んだわけではないが
設定は少し変わってはいえるけど
誰にでも起こりそうな話が展開する。


主人公が移り住んだアパートは
住宅街にあり、隣家とは接近し、
ひょいと覗けば、お互いの日常が垣間見える、
自分も学生の頃
最初のアパートは
窓を開けるとすぐに隣の窓が
同じ高さにあり
お互いに手を伸ばせば
握手できそうな近さだった、
田舎ののんびりした所から
そんなごちゃごちゃしたところに住んだので
この小説の舞台のアパートは
すぐに頭の中でイメージ出来た。



ただ違っていたのは
いくつかの引越しを繰り返しながらも
自分はついぞ、隣の人と
仲良くなる事は無かったし、
もっといえば、名前さえ知らない、
偶然出くわせば、頭くらいお互い下げたけれど。


同じアパートの住人と触れあう事で
主人公は今まで見て来た
周囲の風景を
ちょっと視点を変えて見るようになる、

具体的には隣家には以前
有名人が住んでいて、彼らは
そこで撮った写真集を残している。


外からでもその建物の過去の雰囲気は
なんとなく伝わるが
変わってしまったことと
変わらないこと

そんなものを
これまで何気なく毎日目にしていたものから
強く意識させられるようになることで
彼の日常はやはり
ひっそりと変化していく。

何か掴みどころないもの
その「何か」は確かにあると感じた、
でもそれ自体があまりに
些細で
何があったかどうかも
すぐに忘れてしまいそうだ

ただいつかふっと、似たようなものを感じた時
そういえば、そんな小説あったなと。

★100点満点で75点

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映画「GODZILLA ゴジラ2014」怪獣映画の基本に忠実、ドキドキ感は少ない

2014-08-03 09:32:06 | 大作映画ハリウッド系
映画「GODZILLA ゴジラ2014」★★★☆
アーロン・テイラー=ジョンソン、渡辺謙、
エリザベス・オルセン、ジュリエット・ビノシュ、
サリー・ホーキンズ、デヴィッド・ストラザーン出演

ギャレス・エドワーズ監督、
124分 2014年7月25日公開
2014,アメリカ,東宝
(原題/原作:GODZILLA)



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日本で公開、初登場首位獲得。
日本に先駆け5月16日より世界62の国と地域で公開され、
すでに全世界の興行収入が累計500億円を突破。
今回の日本の結果で、
世界63の国と地域すべてで第1位に輝いたことになる。


「日本が産んだ怪獣映画の大傑作
『ゴジラ』がハリウッドでリブート。
日本からは渡辺謙が
『ゴジラ』精神を受け継ぐ科学者役として参加。
『モンスターズ/地球外生命体』で
怪獣映画に詩情とロマンスを持ち込んだ
ギャレス・エドワーズが監督を務める。」

ぴあ映画生活HPより


1999年日本から映画は始まる、
原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、
大きな振動に危機を感じ
原発の運転を停止する、
その過程で妻のサンドラ(ジュリエット・ビノシュ)は
命を落としてしまう、
なんとなく、今の日本人のとっては
居心地の悪い時間だった。



ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、
日本で暮らす父を訪ねる。
原発崩壊事故によって
かつて家族が暮らした場所は
進入禁止区域となっていたが、
二人で侵入して見ると
そこでは「何か」巨大なプロジェクトが
国民にも極秘に行われていたことが分かった。


原発の崩壊と言う
今日的な問題を突き付けつつ

映画の中で日本政府が隠していた怪獣は、
核のエネルギーが栄養源であり
原発崩壊時のエネルギーも
全て食い尽くしてくれる
今の日本に是非欲しい怪獣とも言えるが
そこは怪獣なんだから
やはりうまく共存は出来ないわけで。


手に負えなくなったら
日本にはゴジラがいる、

実際のゴジラはなかなか登場しない、
かつての歴史を紐解きつつ
待ちに待ったゴジラが
雄たけびを上げる!
なんか待ちに待った登場だったので
結構こちらも気持も熱くなって
「待ってました!」



しかし怖いシーンもいくつか、
ゴジラがハワイに上陸する際の
津波の映像は怖かったな、

震災以降、こういうシーンを
ただ映画のワンシーンと見られない、
その意味で、ゴジラは
人間の味方って訳じゃないのだ。


街を派手にぶっ壊し
怪獣同士の戦いでも
ビルがバンバン壊れていく
そういったシーンは
中に人間が入っていた時代から
それ程進歩しているように思えない
でもそれがかえって
微笑ましく

CGでどれ程、怪獣の質感が増そうと
怪獣は怪獣なのだ、
原発の方がよっぽど怖い
それだけは確かなようだ。


映画は期待以上で満足。
こんなものでしょう、
暑い夏、劇場は涼しく快適だ。

★100点満点で75点


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