とんびの視点

まとはづれなことばかり

『日本戦後史論』

2016年09月03日 | 読書
『日本戦後史論』という本を読んだ。内田樹と白井聡の対談本で、図書館から借りた。読み始めてすぐに、あっ、この本は読んだことがあると気づいた。気付いたけど、何が書いてあったか思い出せない。読み進めながら、そうそう、そういうことが書いてあったよねと思うだけだ。前回読んで感心したところを、これはすごい、と今回も感心している。自分の判断基準がブレていないと喜ぶべきか、成長していないだけなのか。まあ、後者かな。

そうはいって、今回、気になったのは「占領期」のことだ。日本史では、戦中、戦後という言葉は聞くが、「占領期」という言葉はあまり聞かない。敗戦を終戦と言い換えたり、占領軍を進駐軍と呼んでいるから、「占領」という言葉を避けたい思いが、どこかにあるのだろう。

だから占領という言葉は知っていても、その実態についてはよく知らない。そもそも占領とはどういう状態を言うのか。そして占領期には何が行われたのか。占領が終わるとはどういうことなのか。そういうことを学校教育で習った記憶もないし、自分で体系的に学んでもいない。断片的な知識をバイアスのかかった想像で勝手につなげているだけだ。

悲惨な戦争が続いた。ある日ポツダム宣言を受諾して戦争が終わった。そして、すぐに戦後が始まったような印象がある。民主主義的で、平和を愛し、経済復興に向け国民が一丸となって働いた。そんなフレームで考えている。無意識的に。

でも、実際には日本は1952年まで占領されていた。その時期に何があったのか。そして、占領がどういう形で終わったのか。そういうことを学ぶ必要がありそうだ。とくに現在は。それなくして、憲法や自衛隊、沖縄の米軍基地について考えることも、まともな意見を述べることもできなそうだ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿