とんびの視点

まとはづれなことばかり

板橋市民マラソン

2012年03月20日 | 雑文
日曜日、板橋市民マラソンを走ってきた。ヒザが完治していないし、二月からほとんどランニングをしていないので今回はやめようと思っていた。ただ今回は仕事上の仲間もエントリーしていて、自分が走れなくても応援に行くことになった。ひとが走っているのを目の前で見せられたらぜったいに悔しくなる、そう思い参加することにした。

うまい具合に今回が初マラソンで、ほとんど練習をできなかった男がいた。一人で走らせたら7時間のリミットに間に合いそうもない。ちょうどいいので彼のペースメーカーをすることにした。6時間30分で完走をめざす。これなら無理をしてスピードをあげ、ヒザをやられる心配もない。ちょっとでも痛みがひどくなればリタイヤすればよい。

当日はほとんど曇りで、ときおり雨がぱらついた。天気予報では14℃と暖かいはずが、じっさいには肌寒い一日だった。会場までは自転車。ゆらゆら帝国を聞きながらテンションを上げた。目標タイムもない、トレーニングもつんでいない、いつリタイヤしてもよい。こんなに緊張感がないマラソンはいまだかつてない。

そのせいか、会場でも一緒に走る相手と会えない。ぞろぞろスタートする人たちを列の横で眺め、結局、最後尾までいくが見つからず。仕方がないのでほかの仲間と走り出し、いったい俺はなんのために走っているのだろうと疑問に思う。4kmほどの給水所でなんとか相手を見つけ、一緒に走ることになる。

10kmが75分、20kmが80分。悪くないタイムだがおそらくもたないだろうと思った。1人で走った4kmでへんなペースができてしまったのだ。案の定、折り返してからはまったく前に進まなくなった。すぐにストレッチをするようになる。足が上がらず、腕を振っているから走っているといえるが、じっさいには歩くのと変わらない速さだ。気温は上がらず、北風が冷たい。おまけに雨までぱらついてくる。こいつを置いて1人で先に走って行こうかと思う。

とにかくスピードが上がらない。本人は走っているつもりだが、話しをしながら歩いている2人組の女子に追い抜かれる。走っている人間が、歩いている人間に追い抜かれているのだ。そんなペースだ、制限時間内の完走があやうくなる。(そんななかでも僕はけっして歩かない。ゆっくりと小刻みにジョギングをしている。レース全体ではいつもの3倍くらいの歩数になっていただろう)。

33kmあたりでついに相手が歩きだす。不思議なことに姿勢が良くなり、スピードが上がる。制限時間内にゴールできそうな感じだ。2人組の女子を歩いて抜き返す。(走っているときに抜かれ、歩いて抜き返すとはふしぎなことだ)。1km、また1kmとゴールに近づく。5時間、5時間30分と時がすすむ。ゆっくり走ることにだんだんと飽きてくる。ゴール寸前でリタイヤしようかと思う。

相手も完走できそうなので、残り1kmは1人で走らせることにする。その方が達成感があるだろうし、最後くらい僕も思いっきり走りたい。41kmの表示をみて、がんばれよ、と声をかけてスピードを上げる。自分のペースで走るのはすごく楽だ。一挙にごぼう抜きだが、すこし恥ずかしい。競争の途中で寝てしまったウサギの気分だ。

走っていたのはほぼ6時間30分。とても長い時間だ。ゆっくり走ったのでヒザは問題なかったが、身体はかなり疲弊した。寒空のした柳の枝が黄緑色にかすむ、そんな土手を震えながら自転車で家路に向かった。
コメント
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