とんびの視点

まとはづれなことばかり

4万テラベクレルは致死量換算できないのか?

2012年03月05日 | 雑文
先月のジョギングの距離を計算したらわずか33kmだった。そしてヒザにも軽い痛みがときどき走る。2週間後には板橋市民マラソン。まともに走ることはできないだろう。不参加にするか、何か別の目的を作って走るかのどちらかだ。いずれにせよ、ヒザの痛みが抜けてからの話しだ。

さて、先日の東京新聞に「セシウム4万テラベクレル放出」という記事があった。福島第一原発事故で大気に放出された放射性セシウムの量だ。テラというのは1兆ということだから膨大な数字だ。40000000000000000ベクレルのセシウムとなる(ゼロの数はあっているのだろうか?)。こういう記事は読んでいてわかるようでわからない。わかった気になれるが実はわかっていない。

その数字が膨大だということは理解できるが、それがどういう意味をもつのか具体的な想像ができないからだ。具体性を持たせるためだろう。記事ではチェルノブイリとの比較を行なっている。チェルノブイリでは13万7000テラベクレルのセシウムが出たらしい。それと比べると3割程度というところだ。

なるほど、と思いたくなる。しかしこれも、わかったような気がするだけだ。チェルノブイリで具体的にどんなことが起こったのか(あるいは起こっているのか)を知らないから、具体的な比較を想像できないのだ。あのチェルノブイリ事故の3割程度かと、何となくわかった気になるだけだ。

ふと、ひらめいた。放射能をある種の有害物質として考えれば、その影響をきちんと説明できんじゃないか。例えば、青酸カリが1kg盗まれたりしたら、報道機関は必ず「致死量何人分」というような説明をする。放射能でも同じことはできないのだろうか。

この記事には「セシウム4万テラベクレル」とある。「セシウム」と「ベクレル」を使っている。「セシウム」と書く意味は、他の核種については述べていないということだ。事故当初、問題になっていたのはヨウ素だし、微量ながらもストロンチウムとかプルトニウムも出ているらしい。(ヨウ素は半減期が短く、甲状腺癌を引き起こす。ストロンチウムはカルシウムと似いてるので骨に吸収されやすいんだっけ?プルトニウム自然界には存在しない元素。以前は東電がプルト君というキャラクターを使って「食べても大丈夫」と宣伝していたらしい)。

「ベクレル」というのは放射能の量を表したもので、人体への影響を表した単位ではない。人体への影響を考えるときには「シーベルト」を使う。だから避難や除染などの基準はシーベルトになる。(4月からの食品中の放射性セシウム新基準はベクレル表示)。となれば、ベクレルをシーベルトに変換できればセシウム4万テラベクレルが人体に及ぼす影響を具体的に示せるはずである。ちなみに1度に7000㍉シーベルト以上を浴びると100パーセント死亡するらしい。そしてベクレルをシーベルトに変換する式はあるらしい。

にも関わらず、そういう報道などはない。外部被爆とか内部被爆とかいろんな条件があるから簡単には計算できないということなのだろうか。よくわからない。でも、実際ある量の放射線を浴びれば死亡するのだし、ベクレルからシーベルトへの変換はできるのだから、条件さえ決めればその中で致死量的な表現は出来ような気がする。

やはり最先端の科学には素人には理解できない困難な問題があるのだろうか。あるいは、そんな計算をするとものすごい数字が出てきてしまうから伏せているのだろうか。よくわからない。まあ、このあたりも含めて、原発関係については引き続き勉強していこう。
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