レッドダイヤモンズ後援会は、今年度から、一般社団法人化し、浦和レッズ後援会として
生まれ変わり、その設立総会がとりおこなわれた。この旗は新たになった旗だ。
設立総会に来賓として出席した村井満Jリーグチェアマンと
浦和レッドダイヤモンズ淵田敬三代表。
総会終了後、設立記念講演会として村井満Jリーグチェアマンが「豊かなスポーツ文化を
目指して」と題して胸に秘めた熱き思いと鋭い分析力で興味深い話をしてくれた。
尚チェアマンは当社の近くさいたま市浦和区前地にお住まいということでとても親しみを感じてしまった。
氏は昭和34年、川越市で生まれ、県立浦和高校、早稲田大学法学部を卒業後、
㈱日本リクルートセンター入社。2000年4月同社人事担当執行役員。
2004年3月㈱リクルートエイブリック代表取締役(現 ㈱リクルートキャリア)。
2008年7月~2014年1月(社)日本プロサッカーリーグ非常勤理事。
2014年1月~(公社)日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)チェアマン就任。
期せずして、この日にJリーグ臨時理事会で再任された。
氏は元々熱烈なレッズサポ。チェアマン就任後は立場上封印しているとの事。
このスライドは2007年11月、ACLでのアウェーセパハン戦(イラン)で撮ったもの。
この年に浦和レッズは初のアジアチャンピオンに輝いた想い出の写真とか。
今の悩みはレッズサポをやめた事と冗談混じりに話していた。
冒頭2月1日から3ヵ月間行われたJリーグ新人研修でチェアマンが123名の
新卒Jリーガーに出したクイズから話は始まった。
(問題)10年前に入団した新人が10年間(500試合)に出場した試合数で
一番多かったゾーンは何試合だったか?
答えは0~50試合。この年は120名の選手が入団。
レッズの選手では森脇選手、興梠選手など。その中で21人が1試合もピッチに
立てないまま、プロ世界を去った。このデータを見たある新人は「具体的な数字を
見せられたことで改めて厳しい世界なんだと実感できた。」と言っていた。
ではプロ選手の成否を分けるものはなにか?「プロとして長くプレーするためには
何が重要か?」各クラブの強化担当者のアンケートをもとに発表したそうだ。
心技体についてはほとんどがたいして差がない。現在プレミアリーグ・レスターで
活躍している日本代表の岡崎慎司選手は下手だった。セリエAインテルの
日本代表長友佑都選手はユースでも落ちてしまっている。
成功の公式は人間力だ。相手のせいにしない傾聴・受容の姿勢
自己のセルフコントロールができる自己分析と自己管理リバンドメンタリティを
持った自己主張と協調の両立等の人格の側面、そして観察力、思考力、
判断力、伝達力、統率力、実践力などの能力の側面が人間力。
この例としてブラジルW杯のコートジュボワール戦をあげていた。
Jリーグ、2008年~2012年での関心度の変化をみると男女各世代での
関心の低下がみられる。とりわけ、女性よりも男性の関心低下が見られ、
特に、男性10代、20代、40代の低下が顕著だ。村井チェアマンは
リクルート出身だけに、多種多様なアンケートをベースに徹底的な分析をしているのが、
話の節々から伝わってくる。今までのチェアマンとはまったく違うタイプだと感じた。
近年Jリーグの入場者数はなだらかな減少傾向が続いていた。その内訳としてJ1、J2、J3、
リーグカップ戦のデーター。しかし2015年はとうとう初めて1000万人を超えた。
日本代表とJリーグの関係性と理想形については、現状は有力選手の
海外での活躍と国内有力選手の減少関係にミッシングリングがある。
これをJリーグの育成強化と露出強化で理想形にしたい。
例としてメキシコ、ギリシャ、アメリカ、アルゼンチンの2ステージ制。
特にメキシコの育成システム、ドイツの生産性をあげて説明した。
セレッソ大阪のJ3参戦も人間力を上げる側面で評価していた。
Jリーグの関心度の低下、スタジアム観戦者数の減少クラブ収益、リーグ収益の悪化、
投資余資の枯渇等の取り巻く負のスパイラルからの脱却を図る努力をしている。
その為にレッズが実験的に始めたデーター分析をスウェーデンのサーブ社の
協力により実施している。
たとえばペナルティエリア外からのゴール、ボールを奪ってからゴールまでの
平均時間等、On the Pitch での変化を促している。
2014と2015を比較すると随分変化がでてきた。
2ステージ制への移行は当然賛否。色々あるが、頭から点を取りに行く。
逆転勝が20%増えた。などポイントの重みが増した為、フットボールが変わりつつある。
ここでスタジアムの環境整備もすすんだ。特にガンバ大阪のホームスタジアム(右下写真)は
完璧に差別化したスタジアムだ。ホームのロッカーは円形、アウェーロッカーは
従来通りのものスタンドもホームとアウェーは差別化している。
これは税金を使わないでトト収益、寄付等(150億)で建設したからできた技だ。
アジア戦略も進んでいる。川渕元チェアマン、元日本代表監督岡チャンなどの
努力により、アジアの街との協力までできるようになった。
浦和に海外の子供が来る時代がいずれ来る。
Jリーグチームの地域に対するアイデンティティも素晴らしい。
浦和レッズはその見本だ。レッズ後援会へのお願いは人間力のある選手を
育ててほしい。気概のある子には拍手を。ただのファン心理ではダメだ。
リスペクトする、そして街が人を育てる。浦和ならこれができるはずだと浦和愛を訴えた。
講演後の懇親会で浦和レッズのスタッフが紹介された。