陸のハロン湾と言われているチャンアン。
2014年に世界遺産に指定された。広大なカルスト地形は水に溶けやすく、
石灰岩は川の流れや風雨の浸食を受け、
数百万年をかけて深い渓谷や奇岩奇峰を生み出した。
水蓮の花が随所に咲き、全体の景観にアクセントを付けている。
ある所では山々の風景と相俟ってまるで極楽浄土の世界の様であった。
チャンアンはハノイから約2時間、ニンピン省にあり、
行く道中は、ベトナムらしいのどかな田園風景が続いていた。
ここはビジターセンターに入る前の土産店売場。
今の所、チャンアンは穴場的スポットだ。観光客はベトナム人がメインで
まだ外国人は少ない。竹笠(ノンラー)を被った欧米人はいかにもツーリストそのものだ。
ここが船の乗船場の入口、ビジターセンター。広い講堂では
モダンな音楽が流れていた。この場所はどのような使い方をしているのだろう。
最盛時のクルージングの風景が写真で展示してあった。
こんなにも船が出ると衝突しないか、老婆心ながら心配になる。
ここが船着場。この日は比較的すいていた。船頭さんは皆女性。
必ず船頭さんには1人2万~2.5万ドン(100円~125円)の
チップを渡すのがマナーだそうだ。
因みに、ボートツアーの料金は15万ドン(750円)だ。
いよいよ出航。クルーズ時間は約3時間。
日本ではまず見られない大陸ならではの山水風景がどこまでも続いた。
チャン祠など道中いくつかの寺院が現れる。
ベトナムではチャイアンで結婚の記念写真を撮るのが定番とか。
今回ハノイを旅して感じた一つに若い人達は人生のエポックに
記念写真をよく撮るみたいという事。
チャンアンの地下水の流れが約50以上の洞窟を掘り出した。
クルーズではその内9ヶ所の洞窟をくぐり抜ける。この鍾乳洞の
洞窟は頭が本当にぶつかる程低い。
そこをスレスレに通り抜ける船頭のテクニックに感服した。
洞窟を抜けるとそこは極楽浄土の世界の様な錯覚に陥る。
船頭の漕ぐオールの「ギシッ、ギシッ、ポチャポチャ」という船の音、
水の音と風の音のみでとても心地が良かった。
船は手漕ぎボートなのでエンジン音がなく水がとても身近に感じれらる。
流れもほとんどなくここは川なのか湖なのか?
ご覧の様に水面下に水草が茂り、実にグリーンの水面が美しい。
又々立派な寺院が現れた。この風景を見た瞬間、昔、見た映画
「地獄の黙示禄」の光景を思い出した。この映画は
フランシス・コッポラが監督し、主演はマーロン・ブランド。
ベトナム戦争をテーマにした映画だ。
こちらが私達が乗った船頭さん。
カメラを向けると顔を隠してしまうシャイな女性だった。
クルージングを始めて約1時間。丁度折り返し点の所にあった
寺院に休憩がてら上陸した。本当にこのクルーズは癒しのボートクルーズだ。
このボートは4~5人乗。女性船頭さんがいちばん後ろに
前向きに座って櫂を押すように漕ぐ。
船にはお客も漕げるオールが置いてあって
私達の2隻は後半ボートレース状態になった。
船頭さんも長丁場の為、途中ご覧の様に足で漕ぎ出した。
これが又器用でまるで足が手の様に上手に漕ぐ。
一体足の裏はどうなっているのだろうと仲間と議論になってしまった程だ。
ススキの中をぬって行く船は一幅の絵画のようだ。
いよいよゴール間近か。陽も徐々に暮れてきて夕陽が眩しい一枚となった。
ボートクルーズの前にランチタイム。ビジターセンターの中に立派なレストランがある。
この地方の名物料理は3枚目のマトンの焼肉料理とか。
味はイマイチだった。
ちょっとぼやけて分かりずらいが、中の具が透き通って見えてしまう程
薄くて透明度が高いライスペーパーの料理。
これもベトナム名物のコーヒー。ドリップ式の容器から
ポター、ポター、しばらくしてポター。なかなか下に溜まらない。
飲める状態になるまで気長に待つしかない。
味は香りが強く、濃い逸品だ。