内外情勢調査会の全国懇談会で「世界一のインターネット・サービス企業」
を目指す楽天の三木谷浩史会長兼社長の話を聞いて来た。
氏は1965年(昭和40年)生まれ、神戸出身の48才
一橋大学卒業後、日本興業銀行に入行
1993年、ハーバード大学経営大学院でMBAを取得
1995年、阪神淡路大震災で敬愛していた叔父、叔母を
失ったことが、人生観に大きな影響を与え起業を決意した。
1997年、㈱エム・ディー・エム(現・楽天)を設立した。
昨年6月に新たな経済団体「新経済連盟」を旗揚げして
代表理事に就任。現在 安倍晋三首相の肝煎りで
「産業競争力会議」の民間議員を務めて注目されている。
かなりぼやけてわかりずらいが、楽天設立当時の写真
奥様を含めて7名でスタート、最初の売り上げは32万円
その内の20万は三木谷社長個人が買った売上というエピソードを話していた。
現在の売り上げはインターネットショッピングを中心に
1兆5000億円
創業時から脈々と続いているコンセプトは
「エンパートメント」だそうだ。
更、父親は神戸大学名誉教授、元イェール大学客員教授
元日本金融学会会長の経済学者だそうだ
その血筋を引いているせいか、考え方がすごく論理的だ
演題は
「社会を変革するインターネットの可能性~加速するグローバル化時代に取り組むべきこと~」
ITの専門用語を多用し、アナログ人間にとっては
ちょっとわかりずらかったが、その自信の程は並大抵ではない。
その一部をレポートします。
・過去の経営手法はまず国内市場をしっかりやりかためる。その後2008年から国際化
2010年からグローバル展開、現在世界13カ国でビジネス展開をしている。
その戦術は将棋の櫓戦法だそうだ
・3年前から突然社内公用語を英語化した。その理由は海外とのギャップを埋める為
そして、社員(7000名)の内向指向を変える為だ
因みに現在グループ全体の28%が外国籍の社員だそうだ。
・盛んに「新結合」という言葉を使う。現代における新結合=インターネット+スマートデバイス
離れていた要素が結合することが新結合、新結合のイニシアティブを日本はとってない。
・社内組織論はフラット化、国際化した時自身のニックネームは最初照れたが「ミッキー」とした
・日本人は壁の向こうを見ようとしていない水が高い所から低い所へ流れるのが
分かったら早くやっちゃう。
第2部として時事通信社田崎前解説委員長とのパネルディスカッション
産業競争力会議の中味に切りこんでいった。
・安倍総理は圧倒的にスピードが早い。しかもいいものは結論が出る前から
実行に移していくと評価していた。
・会議で一番多く出る言葉は「技術で勝って経営で負ける」
・成長戦略政策は過去7回組んだが成果はなかった。計画は数値化、見える化し
責任者を決めなければダメだ。
・安倍内閣はソフトランディングとハードランディングの中間
・そして最後に世界は固唾を飲んで日本は変わるのかどうかアベノミックスを見ている
世界中を見てきたが、日本の固有の強さ(勤勉、チームワークの精神、おもてなしのサービス)
は世界でNo.1。日本は必ず勝つと強く信じている。と言って締め括った
会場のホテルニューオータニ「鶴の間」がいっぱいになる程
会員1200名がシーンと聞きいっていた。
通りすがりに見た、丹下健三設計の赤坂プリンスホテルの解体が
進んでいたので載せました。
建設後そんなに月日が経っていない
超高層ビルが解体されるとは。