37年振りにお伺いした赤倉観光ホテルは1937年(昭和12年)
当時の大倉財閥が、上高地帝国ホテル、川奈ホテルに
続けて建てた日本の高原リゾートの草分け的存在だ。
ホテルが立つ標高1000Mから望む四季折々の絶景、
源泉掛け流しの温泉、歴史と気品ある空間など創業より
変わらぬ魅力が継続されており、人々の心を魅了している。
創業時の趣きを残す本館フロント光景。山小屋風の造りで
しっとりと落ち着いた大人の空気が流れていて、とても好きな雰囲気だ。
フロントから1段上がったロビーも歴史の重みを感じさせる
重厚なスペース。ロビーの一角には妙高高原スキー場の
ジオラマが置いてあり、隣りにはグランドピアノがある。
応接セットは昔ながらのクラシカルなもの。
自然石が埋め込まれた壁には、日本でスキーが始まった頃の
スキー板がオブジェとして飾ってある。その下には
その当時モダンだったと思われる暖炉がある。37年前の夏
この椅子で写真を撮ったが、全くそのままの姿であり、
感無量の気持ちに成った。まさにセンチメンタルジャーニーだ。
ワンフロアー下りるとカフェテラスと屋外テラスに成っている。
テラスには赤倉観光ホテルの屋根の色と同じ大きな赤いパラソル席に
なっていて遠くから見るとアクセントになっている。
ここは天気の良い時は高原の風が頬を伝わって最高の場所になる。
カフェテラスの一角には当ホテル製の有名なベーカリーショップと
数々ある当ホテルオリジナル商品が販売されているショップがある。
歴史あるホテルが今使用しているアメニティグッズも売られていた。
3階には2階のロビーが見渡せるライブラリーがある。
この部屋も昭和の良き上流社会の雰囲気が漂う素敵なスペースだ。
ここのテーブルで暫し、ブログの原稿を書いたことは
印象的なことと記憶に残るだろう。
1階の奥に昭和12年開業からの写真や資料が展示されている
ギャラリーがある。ここは謂わば赤倉観光ホテルの博物館だ。
当ホテルはじめ、ホテルオークラ、川奈ホテルなどを創設した
大倉財閥の2代目総氏、大倉喜七郎氏の写真。
氏は大倉財閥の創始者大倉喜八郎氏の子で
日本のホテル業に大きな足跡を残した。気さくで気前が良く、
派手好みなハイカラ男爵だったため、周囲からは
バロン・オークラと呼ばれていた。昔使われていた
ホテルのパンフレットのデザインは80周年を迎えその復刻版が使用されている。
さらにギャラリーの奥ではアート入札オークションも実施中。
その中でヒロ・ヤマガタの大型のポップアート絵がとても気に成った。
2008年には本館を全面リニューアル。2009年には
「SPA&SUITE棟」を新築、そして2016年には「プレミアム棟」が増築された。
赤倉観光ホテルは伝統に培われたおもてなしの心とともに、
より快適性が加わり、まさに一級のリゾートホテルということを肌で実感した。
「SPA&SUITE棟」の1階に設けられたアクアテラス。妙高山からの
湧水を湛えた水盤のテラスからは雲上の眺めが広がる。
これをチャペルにして挙式も行なうことが出来る。
今回この場所でいったい何枚の写真を撮ったことだろう。
早朝の朝日と雲海、夕陽と雲海。このテラスに座ると皆
その幻想的で雄大な風景に心と目が奪われて
寡黙な人に成ってしまっていた。
ホテルのチェックインはPM3:00から。アクアテラスのロビーでは
地元の採れたてのキュウリ、ミニトマトなどの野菜と
オリジナルソース、そしてフルーツポンチ風の
ワインのウェルカムサービスがあった。
今回本当に色々な所で感じたおもてなしのサービスに大いに感服した。
それではアクアテラスで撮った写真集をアップしてみます。
なんと早朝5:30にアクアテラスに来たら、5セットある
応接セットが満席に成っていた。そして皆約30分位は
一人も一語も声を発しなかった。それ程魔力を持った風景が
雲海の変化とともに静かに続いた。
アクアテラスの水盤としらかばガーデンの樹木の
ライトアップ光景。とてもメルヘンチックで美しい。
本館のカウンターに歴史を感じるクラシックバーと
SPA&SUITE棟にあるアクアバーとサロン。
このバーとサロンからはアクアテラスの夜景を望むことが
できるロマンチックな夜の世界が楽しめる。
アクアグリルダイニングとガラス越しのオープンキッチン。
プレミアム棟の最上階にホテル内3つ目の
新レストランがオープン。最高の眺望とともに創作フレンチディナーが
味わえる。ここのディナーは超一流と言っていい位の
レベルだった。もし行かれる方は本館のメインダイニングルーム
ソルビエよりこちらを予約したした方が良い。
朝食会場も夕食と同じアクアグリルダイニングだが
大きなフィックス窓から朝日が入り、夜と全く表情を変える。
ダイニングの外にはテラスベランダがあり、
水辺と外の空気が吸え、ここも絵になる。
又、当館は有名なベーカリーがある為、パンはものすごく旨かった。
こちらは本館のメインダイニングルーム「ソルビエ」。
伝統的なフランス料理に地場の食材を使った
季節感のあるメニューを出している。
朝食は和定食。夕食は懐石料理、しゃぶしゃぶすき焼、
寿し懐石を用意している旬菜ダイニング白樺。
ここは洋食系レストランと比べるとややカジュアルな感じた。
赤倉観光ホテルは10年前に全面リニューアルと
2棟の新館を建てたということだが、館内を歩くとふと目に止まる
意匠のインテリアを随所に見かけた。その幾つかを紹介します。
本館の床の寄木造の廊下。センターの星の様なマークは
とても手が込んでいる。本館にはやはり風格と品位と伝統を感じる。
SPA&SUITE棟からPREMIUM棟への廊下に敷かれた絨毯は
帝国ホテルを設計したフランク・ロイド・ライトのデザインした
モチーフを感じる。創業者の大倉は帝国ホテルの会長も
務めていたから、ありうるかも。
この壁の意匠デザインも帝国ホテルの香りがする。
なんとかその趣旨を知りたいが今の所分からない。
壁の化粧板は近づいて見れば見る程手が込んでいて拘りを感じる。
この壁の化粧石もとても素晴らしい。私の好きな素材とデザインだ。
遠くから見ると大谷石に見えたが、近くで触ってみると
ずっと硬く、きめも細かい。ひょっとして伊豆石か?
この薪を使った柱のデザインは本館カフェテラスの通路の
柱に数本使われている。こちらのデザインはアナログ的で分かり易い。
冬はスキーのゲレンデになる所にあるホテルガーデン。
国立公園に指定されているホテルの周辺の敷地には
そばやハーブの花畑、わさび田や湧水、滝まで続く
散策路などがある。改めて本当に赤倉観光ホテルは
素晴らしい一流のホテルだということが分かった。
尚参考に現在の赤倉観光ホテルの経営は平成26年6月
大倉系企業より事業譲渡を受けたR&Mリゾート㈱
本社静岡県伊豆市が引き継いでいる。
当社は平成27年にさいたま新都心駅のショッピングモール
「コクーンシティ」内に「Bakery&Tableコクーンシティ店」を
オープンした。赤倉観光ホテルンの一ファンとして願うのは
経営が変わろうとも創業の精神、コンセプトはいつまでも
変えずにさらに素晴らしい超一流のリゾートホテルを目指してほしい。