思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

「良心」の宣誓

2010年11月05日 | 法学

 久しぶりに仕事の合間を見て長野地検松本支部の第一法廷の裁判を傍聴に行きました。

 この日に覚せい剤事件の共犯者二名の被告事件が結審するということで情状・最終弁論を拝聴したく出かけてみました。

 珍しく20名ほどの傍聴人がおり、いつものように一見ヤクザ風の市民タイムスの記者がおり、必ずいるおじさんもしっかり居ました。このおじさん年齢は70歳ぐらいの方ですがいったい何者なのか、不思議な人です。

 そういう私も不思議な人なのですが、今日の審理は裁判官3名、弁護士2名、検事1名で行われました。

 最終的に検察側の求刑は、

 A:懲役5年、罰金50万円、追徴金15万円
 B:懲役4年、罰金50万円、追徴金15万円

でした。求刑からも分かると思いますが、芸能人がよく覚せい剤使用で逮捕される事件がありますが、この事件は上記の求刑内容からして、被告人らに経済的負担も負わせようという内容です。したがって譲渡し関係の被告人ということが分かります。

 金額が低すぎると思われると思いますが、起訴事実の内容が松本市内の暴力団周辺者への宅配便を使って売買したという内容で、3件ほどの事件(本当かウソか知りませんが)でもうけにならない売買で、罰金等を差し引きすると大赤字になる内容なのです。

 被告人はそれぞれ元暴力団で、Aは情状書面として脱退届を提出、Bも一応脱退届を組みに提出したらしいのですが、「そんな奴知らない」との返事で組み内のいざこざですでには紋状態のもののようでした。

 Aの情状では、本年春ごろ知り合った内縁の妻(裁判に備えてか入籍した戸籍謄本を持参提出)が証人台に立ち、このブログでも紹介しました「良心に従って・・・・」の宣誓文を裁判官に対し朗読しました。

 西洋流の二元的良心を思うと状況から「正直」という言葉が軽く聞こえてなりませんでした。出所後は暴力団に関与せず、仕事に専念し社会に貢献したい・・・・。美辞麗句。

 何をもって”正義 ”というのか、考えさせられます。

 共犯者の二人は覚せい剤使用で、網走刑務所に服役した時の知り合いで、出処後知り合いのものから覚せい剤はないかと言われて、知り合いの組員から入手、仲介販売したわけです。何グラムという世界ですので大した額ではありませんが、覚せい剤の悲劇はこう言うところから繋がって行くのです。

 情状証人の妻は検察官質問の際、検事はこの妻がAの逮捕時にAの携帯電話を折るという公務執行妨害と証拠隠滅までしているような質問をしていましたが、どうして現行犯逮捕しなかったのか不思議です。

 最近体が具合が悪くてと証言台で述べていましたが、どう見てもシャブによる影響を感じたのは私だけではないように思いました。

 ということで「良心」の宣誓・・・・”正義 ”はどこにあるのか!

 判決は二週間後、4年6月、3年6月と罰金の実刑判決でしょう。と推定(み)ましたがどうなりますか。


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1 コメント

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Unknown (傍聴人ヨシ)
2011-01-08 00:53:59
初めまして。
検索していたらこちらに辿り着きました。

私も仕事の合間に、たまに松本支部へ傍聴にいきます。いつも熱心な初老の傍聴人の方よくいらっしゃいますよね。
私は法律のことは、よく分かりませんが傍聴し始めて半年、本当の真実はどうなのか?と日々考えさせられます。
特に民事(賠償)だと、なおさら感じさせられます。

裁判員制度が施行された割りに、この支部の傍聴人は、いつも少ないなぁという印象です。
人口20万人以上いるのに。

まぁ平日しか開廷されないのだから、無理もないのかもしれないですが、もっと司法に関心が持たれてもいいんじゃないかと、この頃思います。

こちらの記事、もう2ヶ月前ですね(^^;
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