思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

風光

2008年06月24日 | 仏教
 今日は、日本で一番短いお祭りが行われた、岡谷市と塩尻市の境にある塩嶺峠に行ってきました。
 祭りの行われた野立記念碑は、見晴台の傍らにあり、見晴台に立つと諏訪湖が目の前に広がっていました。鳥の声、春霞、陽光、湖の輝き素晴らしい景色でした。

   風光
   風も光も
   仏のいのち
      講談社α新書「坂村真民 花ひらく心ひらく道ひらく」P65から

   一切無常
   散ってゆくから
   美しいのだ
   毀れるから
   愛しいのだ
   別れるから
   深まるのだ
   一切無常
   それゆえにこそ
   すべてが生きてくるのだ

      同上P61から

 坂村さんは、「華厳経」の教えを深く学んでいた。「一輪の花の中に宇宙がある」そんな世界が坂村さんの詩の世界だ。
 天台教学の教えでは、仏性のなかに悪がそなわっているが、華厳の仏性は絶対善である。

 感応(かんのう)ということを天台教学は重視する。思考の世界で考えると、認識の前提に、認識する対象の心像が我が胸の内にあるように、仏がわれわれ衆生の願いを叶えてくださり、また救済してくださるためには、仏が衆生の悪に感応しなければいけないことになるわけである。

 華厳の世界では、悪とか煩悩などは仮の存在で、全部仏の光の中に溶け込んで消えてしまう。

 坂村さんの詩を詠むと華厳の世界が広がる。