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その男ヴァン・ダム (2008/ベルギー=ルクセン=仏)(マブルク・エル・メクリ)  75点

2009-02-08 14:15:59 | 映画遍歴
既に出演する映画作品を見失ったのか、開き直ってヴァン・ダム自身の身を喰らい、己の栄光の過去と呆然たる現実との対比を名作「狼たちの午後」に似せて作ったトンデモ野心作です。

色彩が鈍い。ドキュメンタリー風に作っているせいか、それともヴァン・ダムの退潮振りを暗示しているのか褪せた色合いだ。でも今のヴァン・ダムに似つかわしい色調でもある。ピークを過ぎたアクション俳優の末路。映画は彼の心情を材料に郵便局ギャング劇(郵便局であることが少々物悲しい)で彼の心情を吐露させる。

過去の映画では足蹴りで一気に倒せるギャングだったが、ただ言われるまま服従する一般人に成り下がっている老ヒーロー。おまけにタイミング悪く犯人に勘違いされ警察からも追われる羽目に、、。

なかなか面白い設定で、ヴァン・ダムも思い切り演技をしているように見える。でも痛々しく、映画とはいえ自虐的な彼を見るに忍びないほどだ。

フツーの人となってしまっているヴァン・ダムに対して我慢の時間を過ごしている観客にとってはラストはもう1ひねりも2ひねりも工夫が欲しかった。何種類もの幻想をもっと用意しても良かったのではないか。フィナーレは華やかなほど哀しいものだ。そういう意味では最後まで地味目の映画でありました。ヴァン・ダム、こんな映画を観客に見せつけ、これからどうしていくのだろうか、、。

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