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エグザイル 絆 (2006/香港)(ジョニー・トー) 75点

2009-02-08 13:24:22 | 映画遍歴
スタイリッシュな計算されつくした光と闇の映像。子供からそのまま大人になってしまったような結構年齢幅のある5人の男。若き青春の日々に築き上げた彼らの強い絆。そのバランスが崩れ始めたとき人はその青春の日々を追い続けることが出来るのだろうか、、。

と、昔よく見た西部劇のようでいて陰影のある青春グラフィティのようでもある。この映画が疲れ果てて家路に戻る男のシーンから始まるのは、そうこの映画が出口のない青春の終わりを投影しているものと思われる。

途中途方もない金塊を手に入れるなど青春映画独特の定番の宝探しも挿入され、ないのは女をめぐる恋愛だけだ。(だからこそ男の映画にしちゃってるんだろうけれど、、)

それでもこの映画は陶酔的であり、女の居場所を否定する。男だけの場所をいい年をしても求める、すなわち子供を卒業出来ない、幼い男たちの話であります。(証明写真のカーテンルームのおふざけは少々気味悪かったが、、)

いつもなら僕はこういう映画は大好きで、心に染みとおるはずなんだけど、、。何か設定その他がわざとらしいんだよなあ。人工的というか、青春映画のアイテムをふんだんに揃えました。はい、ノワール映画の哀切な青春映画でござい、、。そんな感じがしちゃいます。

何故なのかなあ、5人の男に内省的な、人生を感じ取る何かを説明していないせいかなあ。そう、現象だけがただ繰り広げられるだけのようで、ある意味イメージの連続を映像から感じ取っているだけのような気もする。

甘さがあちこち僕には感じられる映画です。でもこういう見方をしているのもただ単に僕が年を取ったということだけなのかもしれない。老いた人間が青春を語らうことは自重した方がいいのかもしれないデス。大人になりきれない子供たちの青春ノワール映画でございます。

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