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あるいは裏切りという名の犬 (2004/仏)(オリヴィエ・マルシャル) 85点

2007-01-07 11:26:34 | 映画遍歴
すばらしい題名、ここ2,3年こんなカッコいい題名があっただろうか。その名に負けない、これぞフランスノワール映画の再来というべき映画が出現した。
今人生の垢も栄光も十分知り尽くしている二人の名優ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューのがっぷりよつの競演。顔も年輪が漂っている。二人ともよく見ると鼻が高すぎて、曲がっていたり、へこんでいたりする。これもなかなかいい。
そんな二人が同じ警察の中でまったく違う手法でそれぞれライバル対決にしのぎを削っている。昔は一人の女で争ったこともあるらしいことも見え隠れする。
こんなシチュエーションで面白くならないわけがない。
映像も粒子が粗く、音楽も秀逸でまさにフランスノワール。こんな映画は昔フランスの定番だったのだ。メルヴィルなんかがまさにそうで、ふと切り取った人生の煙が感じられたものだ。
細かい伏線も使い方がうまく、一人の女との確執、部下との信頼等がラストの驚きへと結びついている。
核となるヴァレリア・ゴリノの美しさも魅力的だが、ダニエル・オートゥイユが出所後に尋ねるマヌー役の女優もいいなあと思っていたら、かの名優ミレーヌ・ドモンジョだった。
こういうキャスティングもこの映画のセンスが伺われる。
警察内の裏駆け引きなどはむしろ一般社会でもまかり通っている当たり前の話で、むしろ普通のサラリーマンには身につまされる話でもある。
是非みんなに見てもらいたい映画だ。

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1 コメント

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やり手のコピー (現象)
2007-01-20 01:45:41
「みえない雲」からすぐご覧になってますね。
僕は銀座の失敗からしばらく経ってからの鑑賞となりました。
いやまさしく素晴らしいタイトル。
印象に残り、目を引きますよね。
邦題ってどうしようもないのが多いなぁと常日頃から思っているのですが、
今回は意訳がうまいほうにいったと思います。
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