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ヴェラ・ドレイク (2004)(マイク・リー)

2005-07-16 22:19:49 | 映画遍歴
もう完全に決まっている。映画的にどこをとっても完璧。コピーじゃないけど、ほんとパーフェクト。脱帽。マイク・リーの到達点。
なんといっても、イメルダ・スタウントンの演技の壮絶さ。特に逮捕されて以降の演技はもうすごいというほか言うべき言葉がない。
マイク・リーも最近の作品でこれほど演技指導した映画も珍しいのではないか、と思う。(僕が勝手に思っているだけであるが、、)
それほど、ぴしゃっと映像がしまり、狭い室内劇なのに、逆に人間の心のうねりが動的で、素晴らしい印象を残す。
僕は予告編から何か昔過去に堕胎のようなことをして、それが最近になって罪に問われるのかなあと思っていたんだが、そうではなく、それが継続されていることに少し驚き、いくら彼女でも違和感を少し覚えたが、(というのはやはり堕胎というのは殺人であるからだ。彼女のような人がそれを心の傷に思わないわけがないと思ったのだが、、)映画ではそれさえ功徳だと思い切っている女性の設定にしてある。
だがこの部分はこの映画の本質ではない。なぜなら現代の聖女という寓話を借りているからなのだ。
とにかく、映像から演出、演技、脚本まで、映画人が持てるすべてを出し切っている映画がここにあるということが凄いのだ、と思う。現代での映画文法の完成作、というか、やはりパーフェクトな作品でございます。
これ以上のドラマは早々出るものでもない、と僕は思う。
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