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夏物語 (2006/韓国)(チョ・グンシク) 65点

2007-02-11 22:54:22 | 映画遍歴
ちょっと前に思える37年前で韓国での混乱した政情ぶりは驚いてしまうが、父親が北に行ったというだけでスパイ扱いされるのは仕方ないことなのだろう。
ラブストーリーの底流にはそうしたどす黒い政治の濁流が流れている。その奔流に絶たれてしまった二人の愛ではあるが、やはりテーマはその断絶された時間ではなく、男が女を知らないと言ったその瞬間にあるのだろう。
女を捨てたのである。女を殺したのである。
男はそれを知っている。後で、どう言い訳しようが男は女を一瞬ではあるが愛を断ち切ったのである。そのことの重みが若い二人の別離を生んでしまったのであるが、あまりに哀しすぎるね。
でも、同じようなシチュエーションのとき、既に妻も子供もいて知らないとさえ言えばゲシュタボの手にかからなかった男は女のことを知らないと言えず、家族そして自分の命までも犠牲にしたのであった。そのフランス映画「離愁」のほうがとても強い愛で、この映画を見終わったときすぐ比較してしまい思い出したものだ。
愛とはそういうものだろう、、。

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