千駄木のBar Issheeで纐纈雅代ソロ(2018/9/7)。
Masayo Koketsu 纐纈雅代 (as)
最初の一音の圧力で思わずのけぞる、わかってはいても。30分ほどのフリーの演奏は、そのように鳴らし切るアルトがハコの中で反響した。それだけでなく、周波数によっては鼓膜が共振し、その耳内の鼓膜のぎゅわんぎゅわんという物理的な動きの音がエレクトロニクスのように聴こえた。大きな共鳴の中からまた別のフローが出てくるサウンドだった。
セカンドセット。『Band of Eden』でも演っているオリジナル「カラスの結婚式」、それから「天の岩戸」。続いて、チャーリー・パーカーの「Kim」と「Parker's Mood」。ここでは最初のフリーとは違ってバップらしく音節を細かく切っていくスタイルなのだけど、パーカーのアルトがドライに小気味よくカーブを曲がっていくような感覚であるのに対し、纐纈さんのアルトはより生々しいものに聴こえた。そして、「Autumn In New York」では、その中で、「April In Paris」、「Lover Man」、「I'll Remember April」をメドレー的につないでいった。
たまに体感するとまた迫力が増していて驚かされる纐纈雅代サウンド。
ところで「秘宝感」の話も出た。仮に再結成が難しいとしても、当時の音源はいろいろと聴いてみたいものである。2012年にいちどだけライヴを観たが底なしに愉快だった。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4
●纐纈雅代
纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年)
纐纈雅代@Bar Isshee(2016年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
纐纈雅代『Band of Eden』(2015年)
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『秘宝感』(2010年)
鈴木勲 フィーチャリング 纐纈雅代『Solitude』(2008年)