先月(2009年4月)に仕事で訪れた山西省太原で、珍しく空き時間ができたのでちょっと出かけた。
永祚寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
駅の東側にある永祚寺は、通称、双塔寺といって、その名前の通り2つの塔がそびえ立っている。16世紀末から17世紀初頭、明代の建設である。オクタゴン、13層の石造りであり、よくこんなもの造ったねと妙な感慨を覚える。2塔ともなぜか立ち入り禁止になっていて、登らずに済んだ(何年か前、オールドデリーにあるモスクのミナレットに歩いて登って疲れてしまい、一緒に行った鉄鋼会社の人と、お互い運動不足ですねと情けなく顔を見合わせたことがあった)。
永祚寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
永祚寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
石版の解説に英語も付記してあって、漫然と読んでいて驚いた。まるで木造建築のように見える石組みは、なんと「イミテーション」だったのだ。気がつかなかった。おそるべき執念だ。
永祚寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
敷地内には牡丹が植えてあった。この後6月頃には牡丹祭のようなものがあるようで、まだ蕾の花が多かった。既に咲いているのは「紫霞仙」という種類だった。
永祚寺の紫霞仙 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
宿に戻る途中に、崇善寺にも立ち寄った。唐代の創建ではあるが、明代に拡張・改名されている。「大悲殿」(凄い名前)の中に、巨大な千手千眼十一面観音があった。千手というわけではないが、数え切れないほどの手が背後に放射線状に突き出ていて、声をあげて驚いてしまった。
崇善寺の大悲殿 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
崇善寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
境内には、中国ではあちこちに植えてあるエンジュの樹がここにもあった。北京の住人に訊くと、初夏、花が咲く時期には、まるで雪が降ったようだねと言ったりするようで、これは日本の街路樹でも同じなのだが、東京では誰も見向きもしない。
それよりも、この4月には柳の花が咲いていて、そこから飛ぶ綿毛が目立っていた。これは何ですかと確かめるまで、有害なものが浮遊しているのかと無粋なことを思っていたのだった。フェリーニの『アマルコルド』にも、綿が飛ぶ似たような場面があったような気がする。
崇善寺のエンジュ Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
崇善寺 Pentax LX、55mmF2.0、Kodak 100G、ダイレクトプリント
●山西省
○平遥
○太原の街、道教寺院・純陽宮
○黒酢
○白酒と刀削麺
●中国の仏教寺院
○浄土教のルーツ・玄中寺(山西省)
○チベット仏教寺院、雍和宮(北京)
○道元が修行した天童寺(浙江省)
○阿育王寺(アショーカ王寺)(浙江省)
旅行だったらどんなに楽しいだろう、なんて思ったりしますが(笑)。地震はほとんどない大陸ですが、皆無ではないですね。