Sightsong

自縄自縛日記

デイヴィッド・サンボーンの映像『Best of NIGHT MUSIC』

2013-06-30 12:09:03 | アヴァンギャルド・ジャズ

デイヴィッド・サンボーンは、1988-90年にテレビ番組『Night Music』のホストを務めていたようで、そのときのライヴ映像をまとめたDVD 2枚組を発見した。

DISC 1: Rock Musicians Side/ WHITE ROOM (jack Bruce) / LIFES BEEN GOOD (Joe Walsh) / MANDELA (Santana with Wayne Shorter) / CROSSFIRE (Stevie Ray Vaughan) / OLD LOVE ( Eric Clapton & Robert Clay) / SUBWAY TO VENUS ( Red Hot Chilli Peppers) / HELLO OPERATOR (Was Not Was) / IKO IKO ( Dr John) / GIMME THE GOODS (Boz Scaggs) / ONLY A DREAM IN RIO (James Taylor) / NOBODY BUT YOU (Lou Reed & John Cale)

DISC 2: Jazz/Fusion/R&B Musicians Side/ HAVE YOU HEARD (Pat Metheny Group) / SPELLBOUND (Joe Sample) / LET FREEDOM RING (Branford Malsalis) / FLY ME TO THE MOON (Harry Connick Jr)/ KIM (Sonny Rollins with George Duke) / DJANGO (Modern Jazz Quartet) / TUTU (Miles Davis) / STORMY MONDAY (Dianne Reeves & David Peaston) / AINT NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH (Ashford & Simpson) / ITS ALRIGHT (Curtis Mayfield)

もの凄く豪華な顔ぶれのゲストたちである。必ずしもサンボーンが共演しているわけではないが、それでも面白い。

1枚目はロック側(正直言って、これまであまり縁がないのではあるが)。

中でも、サンタナとサンボーン、ウェイン・ショーターがソロを取り合う演奏「Mandela」は嬉しい。ショーターのソプラノサックスは、相変わらず謎めいたフレーズ。サンタナは、途中でコルトレーンの「Afro Blue」のメロディも引用したりする。エリック・クラプトンロバート・クレイとのギター共演も良い。

2枚目が待ってました、ジャズ側。

パット・メセニーのグループは改めて観ても素晴らしい統一感とエネルギー。メセニーもライル・メイズも若い。

一番の聴きどころは、御大ソニー・ロリンズのソロかもしれない。次々にフレーズが湧き出てきて、自在にリズムに乗る。サンボーンはちょっとユニゾンであわせるだけだったのが残念なところ。終わったあと、スタジオ内は大拍手、サンボーンもニコニコで横から拍手。その場にいたら絶賛するほかないだろう。

最晩年のマイルス・デイヴィスも登場し、名曲「TUTU」を演奏する。マイルスの人を人とも思わぬような態度は、やはりマイルスならではのスタイルであって、実に格好良い。サンボーンのソロは存在感があるのだが、フルートで参加しているケニー・ギャレットのイメージ貧困なソロはいただけない。どのように入ろうか逡巡した挙句に、マイルスのトランペットのソロ直後に同じフレーズをなぞるという愚挙に出るのである。

ダイアン・リーヴスが大きな口と大声量でテクを駆使し、昨年亡くなったソウル歌手のデイヴィッド・ピーストンが甲高い声で愉しいスキャットを繰り広げる「Stormy Monday」。例のスタイルで、すなわち斜に構えてマウスピースを加え、塩っ辛い音を発するサンボーンのソロは、このようなブルース曲に実にマッチする。

もちろん、30歳前のブランフォード・マルサリスも、渋~いMJQも、カーティス・メイフィールドも、何度でもリピートしてしまいたくなる。

●参照
スティーヴィー・ワンダー『Talking Book』(サンボーン参加)
ギル・エヴァンス『Svengali』(サンボーン参加)
ギル・エヴァンス『Plays the Music of Jimi Hendrix』(サンボーン参加)


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