Sightsong

自縄自縛日記

「Art and China after 1989 Theater of the World」@サンフランシスコ近代美術館

2019-01-20 16:51:19 | 中国・台湾

サンフランシスコ近代美術館(SF MOMA)は巨大で、各階を観てまわるのに時間がかかった。ブラッサイやゲルハルト・リヒターなどの展示が充実していた。特に今回面白かったのは、最上階での「Art and China after 1989 Theater of the World」。

文字通り、第二次天安門事件以降の中国のアートを紹介したものである。直接的な抵抗のアートも多いし、示唆によってあらゆるタイプの権力を無化しようとするアートもある。

林天苗(Lin Tianmiao)の「Sewing」(1997年)。ミシンが糸で出来ていて、操作する様子が映像で映し出される。

林一林(Lin Yilin)の「Safely Maneuvering across the Linhe Road」(1995年)。重いブロックを持って道路を横切りひたすらに積み直し続ける映像であり、徒労感が半端ない。「アジアにめざめたら」@東京国立近代美術館でも紹介されていた。

黄永砅(Huang Yong Ping)の「The History of Chinese Painting and a Concise History of Modern Painting Washed in a Washing Maschine for Two Minutes」(1987/1993年)。これもまた徒労感アート。すべてを無にする要請があった。

蔡國強(Cai Guo-Quang)の有名なキノコ雲プロジェクト(1996年)。その前年に構想のために作られたキノコ模型や火薬の焦がし。

艾未未(Ai WeiWei)の「Names of the Student Earthquake Victims Found by the Citizens' Investigation」(2008-11年)。四川大地震の犠牲者数は当局により伏せられたが、かれは160人のボランティアを使い、学生の犠牲者を調べ上げ、リストを作品とした。記録こそが現代の呪術である。

●参照
「アジアにめざめたら」@東京国立近代美術館(2018年)
横浜美術館の蔡國強「帰去来」展(2015年)
ドーハの蔡國強「saraab」展(2011-12年)
燃えるワビサビ 「時光 - 蔡國強と資生堂」展(2007年)
『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』
ナショナル・アカデミー美術館の「\'self\」展(艾未未)(2015年)
北京798芸術区再訪 徐勇ってあの徐勇か(艾未未)(2010年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。