Sightsong

自縄自縛日記

ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』

2024-07-14 09:27:19 | 中南米

これが文庫化されるとき世界が滅びるという都市伝説があり、それまでに再読しようと思っていたが忙しくて間に合わなかった。しかし世界はまだ存続している。文庫化が世界を滅亡させる作品にはウンベルト・エーコ『薔薇の名前』もあって、つまり「or条件」ではなく「and条件」にちがいない。滅亡をくい止めるためにはミシェル・フーコー『監獄の誕生』なども伝説に加えておきたい。

それにしてもわけがわからない(前に読んだのは30年前でほとんど覚えていない)。「四年十一ヵ月と二日、雨は降りつづいた」ってなんだ。屋敷や土地が滅びてゆく描写なんてくらくらする。マルケスの長編のなかでは、「おふくろよ、ベンディシオン・アルバラドよ、」と何度も呼び掛ける『族長の秋』にも圧倒された。繰り返しを可能にする力というものがあるのだな。

●参照
G・G・マルケス『戒厳令下チリ潜入記』、ドキュメンタリー『将軍を追いつめた判事』


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