ホイットニー美術館でブラジルのエリオ・オイチシカ回顧展が開かれている。それと連動させて、アート・リンゼイが「Myth Astray」という企画でトークショーやライヴを仕掛けており、足を運んだ(2017/9/10)。これが美術展のチケットで入れるのだからなかなかだ。
Arto Lindsay (g, vo)
Gusavo di Dalva (perc, vo)
定刻の13時になっても適当に準備などしていて、人もまばらである。スタジオの中にはウレタンフォームを折り曲げたものがいくつも置かれていて、みんなそこに座ってだらだらと待っている。
20分くらい経って、おもむろにアート・リンゼイとグスタヴォ・ヂ・ダルヴァが現れ、強烈な逆光のなかで演奏を始めた。
ダルヴァもまたブラジルのパーカッショニスト。叩き歌い、自由な雰囲気が場を支配する。
それに対し、今に始まったことではないが、アート・リンゼイは弱弱しく、ヴァルネラブルな印象があり、しかしそれとは対照的なノイズギターを弾いた。この相反する要素がリンゼイの魅力に違いない。沢山のスピーカーから声と音が遅れてやってきて、強烈で普遍的な懐かしさのようなものが訪れた。
Nikon P7800