Sightsong

自縄自縛日記

池田陽子+遠藤ふみ@Ftarri

2021-01-04 23:49:47 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2021/1/4)。

Yoko Ikeda 池田陽子 (viola)
Fumi Endo 遠藤ふみ (p)

ファーストセットはそれぞれのソロ。池田さんは小さい断片から音価を長くしてゆき、音色の逸脱を大きく柔軟に展開する。その振幅の大きさが、ヴィオラの音の太さや重なりと相まってとても良い。遠藤さんは鍵盤を弾くか弾かないかのマージナルな領域で、静寂もサウンドに引き込んで、選んだ音を微かに提示する。領域内における音の置き所が繊細で驚かされる。だが緊張を強いるようなものではない。聴く者の知覚が鋭敏になってゆくようだ。

セカンドセットは20分ほどのデュオを2回。池田さんのアプローチは先のものとまた異なり、最初は指ではじき、遠藤さんもピアノが弦だということを思い出したように呼応する。次の演奏ではヴィオラの太さも色も変わり続けるが、それは執拗に連続的であり、そのためか、ピアノは弦が震える起点に焦点を当てる先のありようから、より単音と和音が響くように変えられた。終わったあとに現実世界が異なったものにみえた。

Fuji X-E2、7 Artisans 12mmf2.8、XF60mmf2.4

●池田陽子
asinus auris@Ftarri(2020年)
秋分の午後@喫茶茶会記(2020年)
マクイーン時田深山+池田陽子+池上秀夫 ― 弦弦弦@喫茶茶会記(JazzTokyo)(2020年)
815展でのパフォーマンス(広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2020年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+大上流一+南ちほ+池田陽子@不動前Permian(2020年)
池田陽子、増渕顕史、野川菜つみ、田上碧、メーガン・アリス・クルーン@Ftarri(2019年)
ヒゴヒロシ+矢部優子、プチマノカリス/山我静+鈴木ちほ+池田陽子@なってるハウス(2019年)
ガトー・リブレ、asinus auris@Ftarri(2019年)
Signals Down@落合soup(2019年)
815展でのパフォーマンス(矢部優子、広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2019年)
Hubble Deep Fields@Ftarri(2019年)
謝明諺+秋山徹次+池田陽子+矢部優子@Ftarri(2019年)
アレクサンダー・ホルム、クリス・シールズ、クラウス・ハクスホルムとのセッション@Permian(2019年)
エレクトロニクスとヴィオラ、ピアノの夕べ@Ftarri(2019年)
鈴木ちほ+池田陽子(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2019年)
大墻敦『春画と日本人』(2018年)
池田陽子+山㟁直人+ダレン・ムーア、安藤暁彦@Ftarri(2018年)
森重靖宗+池田陽子+増渕顕史『shade』(2018年)
佐伯美波+池田若菜+池田陽子+杉本拓+ステファン・テュット+マンフレッド・ヴェルダー『Sextet』(2017年)
クリスチャン・コビ+池田若菜+杉本拓+池田陽子『ATTA!』(2017年)

 


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