Sightsong

自縄自縛日記

WaoiL@下北沢Apollo

2019-11-14 00:51:22 | アヴァンギャルド・ジャズ

下北沢のApollo(2019/11/13)。

Tokutaro Hosoi 細井徳太郎 (g)
Koki Matsui 松井宏樹 (as, ss)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Yusuke Yaginuma 柳沼佑育 (ds)
Guest:
Daisuke Okuzumi 奥住大輔 (as)

水と油でWaoiL。毎回リーダーの細井さんが物語を設定してくるようで、今回は、「二日酔いの男が午前に目を覚まして、ヴェランダから外を見ると昨日の景色なのか今の景色なのかわからず、その日が過ぎていく」といったもの。それを背景として、モンクやジミヘンの曲が演奏される。

松井宏樹のサックスは、アルトでもソプラノでも、鳴らされるときには透明感があって音の圧が強い。それを中心に据えて、擦れた音、詰まった音、またジミヘンの曲ではディストーションがかかったような音と、強度をもって多彩な表現をしていてとても良い。

細井さんはインプロを演るときとは違い、ノイズやエフェクト中心ではなく、それらを効かせつつギターを弾く。とは言えスティールパンを思い出すほどのメタリックな音や、自身のエフェクトとギターとの抜きつ抜かれつの競走など遊び続ける。アポロではよくどこかの水の音が聴こえるが、漂流するような音のときにそれと相まって不思議な感覚をもたらしている。

このふたりが、どちらがどちらの音なのかわからなくなる瞬間もあり、またユニゾンで奇妙な音を出すこともあり、面白い。上村さんのベースは余裕でサウンドを駆動している。

今回驚いたのは柳沼さんのドラミングである。見事なブラシもさることながら、スティックで全体サウンドとは独立しているかのようなリズムを創出する強さがある。オーネット・コールマンと一緒に演ったときのチャールズ・モフェットを思い出した。

曲によって、奥住大輔さんがアルトを持って参入した。「Epistrophy」では音を詰め込むように集約し濁らせる感覚。「Misterioso」ではフォギーな音。裏声のような音もあった。この個性が松井さんのアルトと対照的だった。この人のリーダーバンドも聴いてみたい。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●細井徳太郎
李世揚+瀬尾高志+細井徳太郎+レオナ@神保町試聴室(2019年)
細井徳太郎+君島大空@下北沢Apollo(2019年)
秘密基地@東北沢OTOOTO(2019年)
謝明諺+高橋佑成+細井徳太郎+瀬尾高志@下北沢Apollo(2019年)
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+細井徳太郎@下北沢Apollo、+外山明+大上流一@不動前Permian(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)
伊藤匠+細井徳太郎+栗田妙子@吉祥寺Lilt
(2018年)

●松井宏樹
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)

●上村勝正
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ


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