Sightsong

自縄自縛日記

ニコラス・ペイトン『Relaxin’ with Nick』

2019-11-14 23:28:06 | アヴァンギャルド・ジャズ

ニコラス・ペイトン『Relaxin’ with Nick』(Smoke Sessions Records、2019年)を聴く。

Nicholas Payton (tp, p, fender rhodes, vo, effects & samples)
Peter Washington (b)
Kenny Washington (ds)

ペイトンがトランペットだけにこだわっていないのは前からのことであるから、ピアノやフェンダーローズが聴こえてきても何も驚くことはない。同じようなスタンスでの『Letters』(2014年)は存在感が希薄で、かつてのトランペットの怪童ぶりはどこに行ったと不満だったのだが、本盤は好きだ。

マンハッタンのSmokeで3日続けて行われたライヴの録音である。わりと騒がしくて皆食事をしながら演奏を観る場所であり、それがアルバム作りには奏功したのかもしれない。タイトル通り、リラックスしていて、音もあの喧騒の中に溶け込んでいくようで、とても良い。フェンダーローズとピアノはブルージーで気怠い感覚もある。肝心のトランペットも余裕で力を残して吹いている。それももとの力量があるからだ。

90年代にシーンに華々しく出てきたころのペイトンは、生で観たら音の大きさと圧に驚いた。しかし今のペイトンをこそ観たい気がしている。

●ニコラス・ペイトン
ニコラス・ペイトン『Letters』(2014年)
ニコラス・ペイトン『Numbers』(2014年)
ニコラス・ペイトン『#BAM Live at Bohemian Caverns』(2013年)


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