下北沢のApollo(2019/6/13)。テリーさんは日本ツアー2日目である。
MinYen "Terry" Hsieh 謝明諺 (ts, 笛)
Yusei Takahashi 高橋佑成 (p)
Tokutaro Hosoi 細井徳太郎 (g, effect)
Takashi Seo 瀬尾高志 (b)
この日はすべてインプロ。
やはりテリーさんのテナーは素晴らしく巧い。高橋さん、細井さんのふたりが電子音を駆使するのだが、テリーさんはエフェクトなしでエレクトロニクスにもあらゆる自然音にも人の諄々とした発話にも擬態することができる。マウスピースを外しもした。テナーのマルチフォニックがこのグループに融合して、グループのマルチフォニックを創出しており、陶然とさせられた。
融け合うだけではなく、各人がときに異物となる。
瀬尾さんのコントラバスはもちろん低音の迫力を持つものだけれど、さらに、裏声のごとき音や、生死の境界にあるのではないかと想像させる官能的な音があって、そういったかれの異物ぶりが融合の安寧をしばしば揺り動かした。(休憩時間に、マーク・ドレッサーのハーモニクスはヤバいという話をうかがっていたのだが、瀬尾さんの音も余程のことである。)
高橋さんがこちらに背を向けてピアノに戻ると、静的な固有の世界も、またやはり異物の楔も提示した。細井さんのギターとエフェクトはときに透明でときに濁り、荘厳な感じさえあったのは面白いことだった。いきなり大はしゃぎの細井スペシャルが出たりもして。
融合、一体化、異物の反乱。アクションペインティングを思わせるサウンドだった。
Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4
●謝明諺
陳穎達カルテットの録音@台北(2019年)
東京中央線 feat. 謝明諺@新宿ピットイン(2018年)
謝明諺+大上流一+岡川怜央@Ftarri(2018年)
謝明諺『上善若水 As Good As Water』(JazzTokyo)(2017年)
マイケル・サイモン『Asian Connection』(2017年)
●高橋佑成
森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO(2016年)
●細井徳太郎
WaoiL@下北沢Apollo(2019年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+細井徳太郎@下北沢Apollo、+外山明+大上流一@不動前Permian(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)
伊藤匠+細井徳太郎+栗田妙子@吉祥寺Lilt(2018年)
伊藤志宏+瀬尾高志@稲毛Candy(2018年)
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
永武幹子+瀬尾高志+竹村一哲@高田馬場Gate One(2017年)
永武幹子+瀬尾高志+柵木雄斗@高田馬場Gate One(2017年)
坂田明+今井和雄+瀬尾高志@Bar Isshee(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)
ジャスト・オフ『The House of Wasps』(-2015年)
寺田町+板橋文夫+瀬尾高志『Dum Spiro Spero』(2014年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)