Sightsong

自縄自縛日記

ミルフォード・グレイヴス+ビル・ラズウェル『Space / Time * Redemption』

2015-01-17 07:57:59 | アヴァンギャルド・ジャズ

ミルフォード・グレイヴス+ビル・ラズウェル『Space / Time * Redemption』(TUM Records、2013年)を何度も聴いている。

Milford Graves (ds, perc)
Bill Laswell (b)

あっと声を出してしまうほど意表を突いた組み合わせ。グレイヴスがアンソニー・ブラクストン、ウィリアム・パーカーと組んだ『Beyond Quantum』も衝撃的だったが、そのときの仕掛け人は、このビル・ラズウェルだったという。名前が演奏スタイルの代名詞になるような音楽家たちを組ませるというのは、異種格闘技戦に似た興奮がある。

ラズウェルによる電気音楽は、聴き手を置いてけぼりにして妙に壮大な宇宙のヴィジョンを展開する。しかも、それは「かつて見た未来」のようで、テンションが無理やり励起されながらも哀しい気持ちになってしまう(否定的な意味ではなく)。

それに対して、登場以来、アフリカ回帰を演奏に取り入れることを意識していたであろうグレイヴスのタイコ。かつての荒々しさは無いのかもしれないが、演奏はやはりこの人だけのスタイルなのであり、巨大な異物ぶりは永遠に健在なのだった。

●参照
ブラクストン、グレイヴス、パーカー『Beyond Quantum』
ローウェル・デヴィッドソン(グレイヴス参加)
デイヴィッド・マレイ『Saxophone Man』(グレイヴス参加)
『Improvised Music New York 1981』(ラズウェル参加)
デレク・ベイリー+トニー・ウィリアムス+ビル・ラズウェル『The Last Wave』


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