Sightsong

自縄自縛日記

中藤毅彦『STREET RAMBLER』

2015-01-17 23:29:16 | 写真

渋谷のギャラリールデコに足を運び、中藤毅彦さんの写真展『STREET RAMBLER』を観る。

東京、ベルリン、モスクワ、サンクトペテルブルグ、ハバナ、上海、ニューヨーク、パリ。会場には、氏がさまざまな都市でざっくりと切り取ったスナップが展示されている。これまでに観た作品もある(写真集『パリ』は素晴らしかった)。

すべて高感度のモノクロで撮影された写真群は、銀塩のざらつきとぎらつきとが相まって、こちらに迫りくる力を持っている(それは誰にも否定できないだろう)。もちろん写真のマチエールだけによる迫力ではない。被写体の内臓にまで肉薄する覚悟のようなものも否応なく感じさせられるのである。

中藤氏はよく森山大道の後継者的に評価されることがあるが、共通するのは、都市の彷徨と、モノクロの粒子感くらいのものだ。被写体へのアプローチも写真の放つ力の種類もまるで異なるものだと思う。

●参照
中藤毅彦『Paris 1996』
中里和人『光ノ気圏』、中藤毅彦『ストリート・ランブラー』、八尋伸、星玄人、瀬戸正人、小松透、安掛正仁
須田一政『凪の片』、『写真のエステ』、牛腸茂雄『こども』、『SAVE THE FILM』
中藤毅彦、森山大道、村上修一と王子直紀のトカラ、金村修、ジョン・ルーリー


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