『Improvised Music New York 1981』(MUWorks Records、1981年)。先日、中古盤を入手した。
Derek Bailey (g)
Fred Frith (g)
Sonny Sharrock (g)
John Zorn (horns)
Bill Laswell (b)
Charles K. Noyes (ds)
これでもかと凄い名前が並ぶ。ヨーロッパ・ミーツ・NYといったところだ。もちろんヨーロッパとはデレク・ベイリー。
混沌のような演奏の記録だ。その場を想像しようと努めながら聴いていると、淡々として独特の金属音の響きを放つデレク・ベイリーの姿が浮かんでくる。その隣りで、フレッド・フリスやソニー・シャーロックがまた奇妙なトライアルを続ける。
時々何か(サックスだけでなく、鳥笛のようなものかもしれない)を吹いて絡んでくるジョン・ゾーンは、まだ活動の初期段階であり、2年後の1983年に、デレク・ベイリーと『Yankees』を出すことになる。また、半引退状態にあったソニー・シャーロックを、ビル・ラズウェルが引っ張り出した時期にもあたる。時代の結節点的なドキュメントなのかもしれない。
もはや30年以上前の音楽であり、当時の先鋭はいまでは安心して聴くことができる記録になってしまっている。しかし、耳を澄ましていると、いろいろな蠢きの音が聴こえてくる。演奏はあっという間に終わってしまい、何度もリピートする破目になる。
●参照
○デレク・ベイリー『New Sights, Old Sounds』、『Aida』
○デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』
○ウィレム・ブロイカーが亡くなったので、デレク・ベイリー『Playing for Friends on 5th Street』を観る
○デレク・ベイリーvs.サンプリング音源
○田中泯+デレク・ベイリー『Mountain Stage』
○トニー・ウィリアムス+デレク・ベイリー+ビル・ラズウェル『アルカーナ』
○デレク・ベイリー『Standards』
○1988年、ベルリンのセシル・テイラー(ベイリー参加)
○ジョン・ゾーン『Interzone』 ウィリアム・バロウズへのトリビュートなんて恥かしい
○ミッキー・スピレイン、ジョン・ゾーン
○『Treasures IV / Avant Garde 1947-1986』(ゾーンの音楽と実験映像)
○エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(ゾーン参加)