Sightsong

自縄自縛日記

黒田京子+喜多直毅@中野Sweet Rain

2017-07-29 08:34:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

中野のSweet Rainに足を運び、黒田京子・喜多直毅デュオ(2017/7/28)。

Kyoko Kuroda 黒田京子 (p)
Naoki Kita 喜多直毅 (vln)

いきなりハードに攻める「黒いカマキリ」(喜多)において、喜多さんの弦を指ではじく破裂音に眼が醒めた。「ゴンドラの唄」を経て、バルボラが歌ったシャンソン「黒い太陽」において、あらゆる箇所を駆使するようなヴァイオリンのテクニックに驚く。「白いバラ」は、ナチスに抵抗したゾフィ―・ショルに捧げた黒田さんのオリジナル。「ふるさと」(喜多)では、右手のみで旋律を抒情的に弾く黒田さんのピアノも、微かな音でなつかしさを表現したような喜多さんのヴァイオリンも印象的だった。

セカンドセット。「ひまわりの終わり」(黒田)に続き「リベルタンゴ」(ピアソラ)。ふたりの分担が鮮やかに聴こえた。昭和歌謡、布施明が歌った「カルチェラタンの雪」。「Útviklingssang」(カーラ・ブレイ)には驚かされてしまったのだが、あとで台湾料理の味王で黒田さんに訊くと、ORT時代からのレパートリーだという。この曲において、黒田さんは、はじめは単音と和音を組み合わせ、また低い和音でリズムを取ってその上でヴァイオリンをのせるなどして、変奏を薄紙のように繰り返し積み重ねていった。喜多さんはピッチをずらしてゆき、そのズレと軋みとにより、なんとも言えぬ哀しみがあらわれた。そして黒田さんが喜多さんに捧げた曲「闇夜を抱く君に」。アンコールは「My Wild Irish Rose」、軽やかなピアノの上で、ヴァイオリンが蝶のように舞った。

Fuji X-E2、XF35mmF1.4

●黒田京子
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン
(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)

●喜多直毅
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
ハインツ・ガイザー+ゲリーノ・マッツォーラ+喜多直毅@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
喜多直毅クアルテット@幡ヶ谷アスピアホール(JazzTokyo)(2017年)
喜多直毅・西嶋徹デュオ@代々木・松本弦楽器(2017年)
喜多直毅 Violin Monologue @代々木・松本弦楽器(2016年)
喜多直毅+黒田京子@雑司が谷エル・チョクロ(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年)
http://www.jazztokyo.com/best_cd_2015a/best_live_2015_local_06.html(「JazzTokyo」での2015年ベスト)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
喜多直毅+黒田京子『愛の讃歌』(2014年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)


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