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Sightsong

自縄自縛日記

マリオ・パヴォーン『Blue Dialect』

2017-07-14 11:31:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

マリオ・パヴォーン『Blue Dialect』(clean feed、2014年)を聴く。

Mario Pavone (b)
Matt Mitchell (p)
Tyshawn Sorey (ds)

ピアノトリオで、フリーインプロではなく曲を演奏している。ということであれば、他のプレイヤーやスタイルを参照できそうなものだが、この寄る辺なさは何だろう。

マット・ミッチェルのピアノは、コードや曲のストーリーをいちど取り崩して平らにし、その上にあるものを公平に扱っているような、奇妙な感覚がある。かと言ってそこから新たなストーリーを旋律の形で提示するでもない。実は大変に独創的な人なのではないか。

独創的といえばタイショーン・ソーリーのドラムスもわけがわからない。既存の体系とは別の文脈で動いていることは確かなようなのだけれど、多種のスタイルのショーケースでも、もちろん単純なグルーヴやノリでもない。何なのだろう。

●マリオ・パヴォーン
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)

●マット・ミッチェル
マット・ミッチェル『Vista Accumulation』(2015年)
ティム・バーン『You've Been Watching Me』(2014年)
ティム・バーン『Shadow Man』(2013年)

●タイショーン・ソーリー
マット・ブリューワー『Unspoken』(2016年)
『Blue Buddha』(2015年)
イルテット『Gain』(2014年)
スティーヴ・リーマンのクインテットとオクテット(2007、2008、2014年)
マイラ・メルフォード『Snowy Egret』(2013年)
ジョン・エスクリート『Sound, Space and Structures』(2013年)
フィールドワーク『Door』(2007年)


ロッテ・アンカー+フレッド・フリス『Edge of the Light』

2017-07-14 09:58:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

ロッテ・アンカー+フレッド・フリス『Edge of the Light』(Intakt、2010年)を聴く。

Lotte Anker (sax)
Fred Frith (g)

デュオというシンプルな構成でロッテ・アンカーのサックスを聴くとやはり格別。息とともにノイズを吹き込むスタイルで、その結果、内奥から泡立つような音が展開されている。

アンカーの周波数は幹からよれまくるのだが、これがフレッド・フリスの無調と重ね合わされて、あちこちで発火してアンカーの音色というテキスタイルが焦げて穴があくようで愉快。フリスは80年代のフリー・エクスペリメンタルの尻尾をまだ引きずっているのかな。

●ロッテ・アンカー 
須川崇志+ロッテ・アンカー+キャスパー・トランバーグ+ラース・グレーヴェ@下北沢APOLLO(2017年) 
ロッテ・アンカー+クレイグ・テイボーン+ジェラルド・クリーヴァー『Triptych』(2003年)

●フレッド・フリス
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』(2009年)
高瀬アキ『St. Louis Blues』(2001年)
突然段ボールとフレッド・フリス、ロル・コクスヒル(1981、98年)
『Improvised Music New York 1981』(1981年)