Sightsong

自縄自縛日記

アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』

2016-04-12 07:25:33 | アヴァンギャルド・ジャズ

アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas II』(Fresh Sound Records、2004年)を聴く。

Tony Malaby (ts)
Loren Stillman (as)
Jacob Sacks (p, celeste, Wurlitzer)
Craig Taborn (p, celeste, Wurlitzer)
Kenny Wollesen (ds)
Jeff Davis (ds)
Eivind Opsvik (b)

オプスヴィークの『Overseas III』(2007年)、『Overseas IV』(2011年)もそれぞれ傑作だったが、本盤もまた別の魅力を持った作品であり、『III』『IV』に至る発展途上のサウンドなどではない。何しろ、クレイグ・テイボーンが参加しているのである。「Maritime Safety」においてテイボーンが弾くハモンドオルガンのカッコよさといったら、悶絶しそうになるほどだ。

シリーズの共通点は、ジェイコブ・サックスや、いつも枯れていてかつ豊潤なテナーを吹くトニー・マラビーらが参加していること(矛盾しているようだが、それがマラビーの不思議)。そして、旅の不安と高揚とを思わせる作曲である。オプスヴィークの温かいベースも好きなのだが、かれの作曲も特筆ものではないか。

こうして『IV』から遡って聴いていて、すべて素敵なアルバムだと実感する。初作も聴いてみたいし、ぜひ『V』も吹き込んでほしいと思う。

●アイヴィン・オプスヴィーク
アイヴィン・オプスヴィーク Overseas@Seeds(2015年)
ネイト・ウーリー『(Dance to) The Early Music』(2015年)
イングリッド・ラブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone(2014年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas IV』(2011年)
ネイト・ウーリー『(Put Your) Hands Together』(2011年)
トニー・マラビー『Paloma Recio』(2008年)
アイヴィン・オプスヴィーク『Overseas III』(2007年)
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(2007、12年)