Sightsong

自縄自縛日記

カミラ・メザ『Traces』

2016-04-05 23:46:05 | アヴァンギャルド・ジャズ

カミラ・メザ『Traces』(Sunnyside、2015年)を聴く。

Camila Meza (vo, g)
Shai Maestro (p, rhodes, Wurlitzer Mellotron, pump organ, ampli-celeste)
Matt Penman (b)
Kendrick Scott (ds)
Bashiri Johnson (perc)
Jody Redhage (cello)
Sachal Vasandani (vo)

ライアン・ケベール&カタルシス『Into the Zone』において、たゆたうようなヴォイスを披露していたカミラ・メザのリーダー作。

チリ・サンティアゴにルーツを持つ歌手であり、ここでも、英語とスペイン語で歌う。やはり気持ちのいい滑らかな声質で、年齢や性差を無視しているようだ。彼女が声を発すると、空気感というのか、空間の広がりというのか、ちょっとこちらが呆けて(惚けて?)しまうような感覚がある。しかも同じようなテイストのあるギターを自ら弾きながら。

サイドにはシャイ・マエストロやケンドリック・スコットが参加しており、ときおり感嘆するソロを取る。

6曲目の「Luchin」は、彼女と同じサンティアゴ出身の歌手ビクトル・ハラの手による曲である(ハラはピノチェトのクーデター時に殺された)。ここではメザはギターを静かに弾きながら囁くように歌い、すばらしい抒情性をみせる。スペイン語の歌詞を調べてみると、自然や目の前の日常を歌ったものであるらしい。

●参照
ライアン・ケベール&カタルシス『Into the Zone』(2014年)
マーク・ジュリアナ@Cotton Club(2016年)(シャイ・マエストロ参加)
シャイ・マエストロ@Body & Soul(2015年)
マーク・ジュリアナ『Family First』(2015年)(シャイ・マエストロ参加)
テレンス・ブランチャード『Magnetic』(2013年)(ケンドリック・スコット参加)