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Sightsong

自縄自縛日記

旨いテヘラン

2015-12-25 07:50:30 | 中東・アフリカ

イラン出身のAさんによると、食事文化は家の中が中心だというのだが、それでもわたしにはとても旨いペルシア料理ばかりだった。

■ Nayeb Restaurant

いろいろな種類のケバブがジューシーで旨い。焼きトマトを潰して、肉やサフランライスと一緒に食べるとさらに旨い。オリーブの和え物も最高だった。満腹になってしまい、夕食を抜いた。

■ Hani

お盆を持って好きなものを注文していき、レーンのゴールでまとめて支払う方式。ものすごく賑わっていた。

つい海老、鮭、ほうれん草と鶏肉のスープと頼んでしまい、またしても満腹、夕食抜き。

■ Alvand Pizza

時間がなかったのでクイックランチ。サンドイッチを注文すると、キャンディのように紙にくるくると巻かれたものが出てきた。中にはケバブとチキン。

●参照
イランの空
スーパーマーケットのダレイオス1世


スーパーマーケットのダレイオス1世

2015-12-24 22:52:38 | 中東・アフリカ

どこの国の街に行っても、市場やスーパーマーケットは楽しい。そんなわけで、テヘランでも空いた時間にスーパーマーケットを覗いた。ちょうど冬至のお祭りを迎え、スイカやザクロが飾り付けてあった。

さすがに一揃いの産業がある国だけあって、飲食品も裏を見るとイラン製。広くて見て歩くのにも時間がかかる。一角にお土産物コーナーがあったので、安物のダレイオス1世を入手した。アケメネス朝ペルシアの王である。これでペルセポリスの夢でも見るか。

ハーフェズだろうか?

キットカットそっくり

ダレイオス1世

Nikon P7800

●参照
イランの空

 

 


桜井啓子編『イスラーム圏で働く』、岩崎葉子『「個人主義」大国イラン』

2015-12-24 21:01:45 | 中東・アフリカ

桜井啓子編『イスラーム圏で働くー暮らしとビジネスのヒント』(岩波新書、2015年)、岩崎葉子『「個人主義」大国イラン 群れない社会の社交的なひとびと』(平凡社新書、2015年)。

前者には、商社、事業会社、旅行会社などの日本企業に所属し、中東や東南アジアのイスラーム圏で暮らしたり働いたりした方々のコラムが集められている。岩波新書にしては珍しく高踏的ではない。しかし、「知」は研究やジャーナリズムにのみあると見なしてしまうのは恥ずかしいほどの大間違いである(同様に、世俗はバックパッカーにこそ見えるという思い込みも世の中にあるね)。

後者は、アジア経済研究所の研究者が、イランのアパレル業界の研究成果を紹介してくれるもの。これもまた面白く、イランに行く途中で読んだら妙に参考になった。実際に、個人の押しが強い社会のように思えて、すっかりイランが好きになってしまった。


グレッグ・イーガン『ゼンデギ』

2015-12-17 07:05:37 | 中東・アフリカ

グレッグ・イーガン『ゼンデギ』(ハヤカワ文庫、原著2010年)を読む。

本作は、イランにおいて明らかな不正選挙を指摘されたアフマディネジャド大統領再選の直後に完成した作品であり、民主化を求める運動が高まっている様子を描いている。その中で出会ったオーストラリア人・マーティンは、イラン人と結婚し、ふたりの間に息子が生まれる。しかし妻は交通事故で亡くなり、マーティン自身も病で死を意識せざるを得ない。残される息子のため、あるいは死んだ後の自分自身のため、マーティンは、IT研究者に、「ゼンデギ」というネット上の仮想社会にマーティン自身を作り上げてほしいと依頼する。

本作の舞台のほとんどはテヘランであり、「ゼンデギ」はペルシャ語で「life」を意味するという。人間のネット上のコピーを、完全な脳内マッピング以外の方法で行うことがミソであるようだ。

しかし、ネトゲが人生の一部となっていくことなど、いかにもありふれている。肉体からネット空間に存在を移行させていくことについても、イーガン自身の『ディアスポラ』のほうがはるかに斬新で過激だった。 


旨いサウジアラビア その3

2015-12-11 14:38:05 | 中東・アフリカ

たぶんサウジアラビアに来たのは6回目で、そんなに食べ歩く環境でもないため、似たようなものばかり。

■ フードコート

モールのフードコートはいつも賑わっていて、マックやサブウェイも人気。食べたいものを指定してプラ容器に入れてもらう店も多い。中華料理で適当なものを指定したら、微妙な味だった。

■ ABOU KAMAL(シリア料理)

前回入ったらカメムシが野菜の中に登場して仰天したところだが、安くて旨い。ホモス(ひよこ豆のペースト)に肉をあわせたものが、なかなかいけた。

■ Golden Dragon(中華料理)

日本料理はとても少ないが、中華料理も多くはない。それでも麻婆豆腐だの炒め物だのを口に入れると安心してしまう。辛くても一緒に飲むのはノンアルコールビール。「Moussy」が有名で、バドワイザーのノンアルコール版も出回っている。


ホテルで、ノンアルコールのバドワイザー

■ 名前のわからないインド料理

多くのインド人も出稼ぎに来ているため、インド料理店がある。空いた時間にさっとカレーを食べるつもりが、出ようとしたらお祈りの時間に重なってしまった。こうなると店から出ることが許されず、足止めに遭ってしまう。フライトに遅れるかと冷や冷やした。

●参照
旨いサウジアラビア
旨いサウジアラビア その2


アラビア湾 a.k.a. ペルシャ湾

2015-12-10 13:15:31 | 中東・アフリカ

サウジアラビア・ダンマンにて、アラビア湾を眺めながら朝食。アラブ側はアラビア湾と呼び、イランではペルシャ湾と呼ぶ。日本や欧米ではペルシャ湾。

蔡國強(ツァイ・グォチャン)は、福建省からペルシャ湾までの海上の道を夢想し、それをドーハに形作った(ドーハの蔡國強「saraab」展)。

●参照
リヤドのゴールド・スーク
リヤドの昼景
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
2014年12月、ジェッダ(1) 旧市街
2014年12月、ジェッダ(2) 木の歩道橋
旨いサウジアラビア
旨いサウジアラビア その2
保坂修司『サウジアラビア』


リヤドのゴールド・スーク

2015-12-10 04:05:16 | 中東・アフリカ

リヤドには「ゴールド・スーク」というマーケットがあって、その名の通り金を売っているのだが、個人的にはまるで興味がない。

ひたすら多いのはお香の店である。当然、お香立ても売っている。裏返してみると、「Made in China」と書いてある。なんとなくひとつ買ってしまったのだが、別にお香を焚くわけでもなく、クリップでも入れて使おうかと妄想。

ところで、時計の店が並ぶ一角に、オリエントの看板を見つけた。セイコーやシチズンでなくオリエントというところが渋い。

●参照
リヤドの昼景
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
2014年12月、ジェッダ(1) 旧市街
2014年12月、ジェッダ(2) 木の歩道橋
旨いサウジアラビア
旨いサウジアラビア その2
保坂修司『サウジアラビア』


バフマン・ゴバディ『サイの季節』

2015-08-02 22:00:09 | 中東・アフリカ

シネマート新宿にて、バフマン・ゴバディ『サイの季節』(2012年)を観る。

クルド系の詩人サヘルは、イラン・イスラム革命(1979年)において投獄される。すべては、妻ミナに横恋慕していた運転手アクバルの策謀であり、かれは新政権で権力を握っていた。ミナは獄中においてアクバルに卑劣にレイプされ、ふたりの子どもを産む。そして、出獄後、夫サヘルの死を知らされる。しかし、サヘルは生きていた。30年近い獄中生活のあと、サヘルはミナを追ってイスタンブールへと旅立つ。またも運命のように出逢うサヘルとアクバル。

「国境に生きる者だけが新たな祖国を作る」という言葉が、映画の中に挿入される。よく知られているように、ゴバディは反体制の咎でイランに戻ることができず、亡命生活を余儀なくされている。インタビューによると、かれは英語がろくに話せず、居場所を喪失し続けてきたようだ。同じようにイランで映画を撮ることを許可されないジャハール・パナヒが身をもって不条理を受け止めざるを得なかったことも思い出さざるを得ない(ジャファール・パナヒ『これは映画ではない』、ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』)。自己喪失の淵にあったというべきか。

映画においては、超現実的に、無数の亀が空から降ってきたり、サイが行く先を遮ったりする。正直言って、映画的かどうかという意味ではさしたる傑作ではないかもしれないと思う。しかし、このサイのどうしようもない重さこそが観る者の心を支配する。

●参照
バフマン・ゴバディ『ペルシャ猫を誰も知らない』(2009年)
バフマン・ゴバディ『半月』(2006年)
バフマン・ゴバディ『亀も空を飛ぶ』(2004年)
バフマン・ゴバディ『酔っぱらった馬の時間』(2000年)


2014年12月、ジェッダ(2) 木の歩道橋

2014-12-20 23:32:30 | 中東・アフリカ

ジェッダには、木でできた歩道橋が残っている。リヤドにはこのようなものはない。

なかなか趣があるが、いつまで存続するだろう。

※写真はすべて、Pentax MX、M40mmF2.8、Kodak Portra 400 にて撮影。

●参照
2014年12月、ジェッダ(1) 旧市街
旨いサウジアラビア その2
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
旨いサウジアラビア
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
保坂修司『サウジアラビア』


2014年12月、ジェッダ(1) 旧市街

2014-12-20 21:28:55 | 中東・アフリカ


トマソン

ジェッダは紅海に面したサウジアラビア第2の都市であり、かつては、メッカへの巡礼者にとっての玄関であった。14世紀の旅行者イブン・バットゥータも、この街を通っている。

空いた時間に、旧市街に足を運んだ。今年(2014年)、この街が世界文化遺産に登録されたことは、訪れてはじめて知った。イエメンの首都サヌアと同様に、市街全体に歴史的な価値があるものとしてのことだろう。

市街の中でも目立つ「ナシーフ・ハウス」(20世紀初頭に王も使ったことがある商家)や、古い「アル・シャフィー・モスク」は綺麗に修復されているところだった。ひょっとすると、何年も経って整備が進むと、この風情も少なからず稀薄になってしまうのかもしれない。


ナシーフ・ハウス

昼前の旧市街は静かで、あまり歩いている人はいない。ただ、お祈りが終わったモスクからは人がわらわらと出てきた。

路地を歩いていると、奇妙な建造物群に目を奪われる。窓が木でできており、漆喰の本体から外側に飛び出している(「トルコ様式」であるらしい)。しかし、そのいくつかは朽ちかけていて、廃墟に近い。なかにはぐにゃぐにゃに傾いでいるものも多く、自分の眼が歪んでいるのかと思ってしまう。

※写真はすべて、Pentax MX、M40mmF2.8、Fuji 400 Pro

●参照
旨いサウジアラビア その2
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
旨いサウジアラビア
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
保坂修司『サウジアラビア』


旨いサウジアラビア その2

2014-12-15 12:24:25 | 中東・アフリカ

5回目のサウジアラビア。

羊肉を炊き込んだカブサという炊き込みご飯が有名で、ほかの料理でも羊肉はよく使われている。もちろん豚肉は一切使わない。牛肉については、ハラールという手続きに則って屠っているために、味がいまひとつだとよく言われる。あとはほかの中東料理と同様に、さまざまなペースト類。


アラビア珈琲


街歩きにはメッカ・ウォーター

 

■ ALBAIK(ファーストフード)

ジェッダの人気店。4人で食べても十分多いチキンとパンのセットが12リヤル(360円くらい)と安い。そして皮がクリスピーで旨い。

外に出ると、タクシー運転手に、安いだろう、旨いだろう、と言われた。

なお、サウジのあちこちでケンタッキー・フライド・チキン(KFC)を目にするのだが、リヤドには強敵ALBAIKは出店していない。何でも王族がKFCに資本参加しているからだと聞いた。

■ Garuda Restaurant(アジア料理)

ジェッダ旧市街の近くにあった。いきなりアジア料理が恋しくなって入り、インドネシア料理のミーゴレンを食べた。濃い味付けで、それなりに旨かった。

どうやら、出稼ぎに来ているインドネシア人たちが集まる場になっているようだった。


ミーゴレン

出稼ぎと言えば、スーパーマーケットである。つまり、ハウスメイドは出稼ぎ労働者の仕事のひとつであり、サウジのお金持ちは肉や野菜の調達にくることは少ない。そのために、都市部のスーパーに入ると、アジア人ばかり。


懐かしい瓶のコーラ

■ Red Sea Grill(シーフード)

ジェッダは紅海に面した街である(メッカへの玄関)。そんなわけで、「紅海グリル」というベタな名前の店に入ってみた。

感想は・・・う~ん。魚介は不得意なのかな。


海老と魚とイカ


「サウジ・シャンパン」とはいってもただのジュース

■ Golden Dragon(中華料理)

リヤドの数少ない中華料理。評判も良いようで、中東料理にはない辛さに満足。こうなるとビールが飲みたくなるが、当然無理。ノンアルコールビールでごまかした。

若い中国人たちがぞくぞくと入ってきた。

■ マクドナルド

説明不要、同じ味。チキンサンドのセットが21リヤル(630円くらい)であり、値段も同じようなものだ。

注文しようとしたらアザンが始まり、シャッターが降りた。ふつうはこうなると20分くらい何もできないのだが、急いで出してくれた。

■ Assaraya Turkish(トルコ料理)

リヤドにあるトルコ料理のファミリーレストラン。メニューを開くと、メインディッシュは同じ色の肉料理ばかり。適当に頼んだがどれも旨かった。


しょっぱいヨーグルトドリンク


ラムチョップ

●参照
旨いサウジアラビア
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
保坂修司『サウジアラビア』
上海環球金融中心のエレベーター、蔡玉龍の新作「へちま棚の下で30年」
バンコクの「めまい」というバー(バンコクの高みからの夜景)
旨いジャカルタ その2(ジャカルタの高みからの夜景)


リヤドの夜景

2014-12-14 11:12:47 | 中東・アフリカ

リヤドで目立つ高層ビルは、アル・ファイサリヤ・タワー(267m)やキングダム・タワー(302m)であり、中国やドバイの超高層ビル群に比べればさほど高くない。しかし、それは相対的なものであって、リヤドで見ればそれらの存在感は大きい。

アル・ファイサリヤ・タワーは上に向かって細く尖っており、先には球体が着いている。

アル・ファイサリヤ・タワー(2012年)

 

実はその球体の真下に展望台があることを、昨日はじめて知った。ガラスの柵があるがオープンエアであり、かなり寒い。

人は上から夜景を見るとしみじみしてしまうものである。

向こう側にはキングダム・タワー。

 

そして、頂点の球体に反射したキングダム・タワー。

 

ところで、栓抜きのような形のキングダム・タワーを前にして、どうしても思い出してしまう「栓抜き兄弟」は、上海環球金融中心(492m)である。設計時は栓抜きの穴が丸かったビルだが、日の丸を思わせるという理由で四角く変更され、より栓抜きに近づいてしまった(もっとも、その理由は都市伝説のようなものかもしれない)。このビルには仕事で何度も入ったものの、展望台にはのぼったことがない。かつて世界一の高さを誇ったビルだ。怖いだろうね。

当初の計画(『建築の20世紀 終わりから始まりへ』)

右側に現在の姿(ウランバートルの料理店「Asiana」に架けられた絵)

●参照
2014年9月、アラビア砂漠
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