四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その93)

2023年07月19日 05時40分51秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その93)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「宗旦むくげ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年6月29日軽井沢タリアセン(旧塩沢湖レイクタウン)に行って来ました。
  美しい大自然溢れる軽井沢タリアセンは素敵な場所で私も大好きです。そこで
  施設や薔薇の花を目にしまして短歌を詠んでみました。ご指導お願いします。
 註)「ペイネ美術館」
☆愛に生きいつも寄り添う恋人たちは 平和に対する強い願いも
 註)「イングリッシュガーデン」
☆タリアセン自然溢れる森の中 緑はつらつ薔薇も生き生き
 註)「イングリッシュガーデン・薔薇たちと白いベンチ」
☆珍しい丹精込めた薔薇たちが 多彩な色でいつも微笑む
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 軽井沢タリアセンは、ハルニレテラスと共に軽井沢を象徴するリゾート施設ですね。
 塩沢湖を中心として、美術館や遊戯施設、レストラン、ショップなどが集まっていて
 おしゃれな場所との印象があります。
 今回は、「ペイネ美術館」「イングリッシュガーデン」について詠って頂きましたが、
 それぞれのポイントにフォーカスし、さながら短歌による優れた誘いと感じました。
 三首目に育種家の努力を詠み込んで、「添削その1」としてみましたが・・・。
【ご参考】
★群れ咲くも新種の薔薇は耀うや 育種家の魂 深くにじませ

【詞書】夏の夜に網戸から入ってくる涼しい風にひたりながら、久々にエンニオ・
  モリコーネの曲が聴きたくなって、曲にひたっていたという事を詠ませて
  頂きました。曲は、以下の3曲です。
  〇ラ カリファ
    https://www.youtube.com/watch?v=J-c63mPIjPE
  〇IL COLORE DEI SUOI OCCHI
    https://www.youtube.com/watch?v=qq10XK_Om_s
  〇ガブリエルのオーボエ
    https://www.youtube.com/watch?v=uMFzayZysLw
☆夏の夜の涼しき風にひたりつつ
      久々に聴くエンニオの曲
                          西BOOさん
【解説】
 エンニオ・モリコーネの曲とは懐かしいですね。
 『夕陽のガンマン』の映画音楽として聴いた記憶があります。また、「ガブリエル
 のオーボエ」は、映画「ミッション」のサウンドトラックでもありましたね。
 詠われているように「涼しき風にひたりつつ」聞くにはぴったりの曲でもありますね。
 歌の調べも良く、作者が涼風を感じながらくつろぐ映像もくっきりと浮かぶ良い歌と
 考えます。
 夏の宵に微かに流れる涼風と共に、懐かしいエンニオ・モリコーネの曲に浸る。
 この豊かなひと時は格別なものと感じますが、そんな思いにさせるのもこの詠歌の
 良さですね。

【詞書】俳句の句会で白南風(しらはへ)の兼題が出たので、夏風をどこに吹かそうか
  色々想像を膨らませて詠むのを楽しみます。私は俳句から膨らませて、短歌を
  詠みます。先週は祇園祭の祭笛を吹く少女に吹かせたのですが、今週は、
  鮮やかな
色の取り合わせで、朱の鳥居に吹かせてみました。

  厳島神社の大鳥居は日本一だそうです。以前行った時、その大きさに驚きました。
  満潮干潮で景色が変わるのも素晴らしいです。干潮の時は大鳥居の下を歩けます。
  青い海の波の白さ、青空、朱の鳥居の色の取り合わせで夏を表現してみました。
☆白南風にひきぎはの波匂ひたち 空にきは立つ朱の大鳥居
                          みっちっちさん
【解説】
 白南風は、梅雨明け後に吹く南からの風ですが、海岸に吹く時は波がより白く
 輝くように見えますね。白南風に吹かれて輝く波と、朱の大鳥居のコントラストが
 美しく詠まれています。
 また、「空に際立つ朱の大鳥居」との表現で、厳島神社へのみっちっちさんの
 敬虔な気持ちが伝わってきます。
 なお、「波匂ひたち」は白南風が運ぶ波の香りとしての意味は分かりますが、
 少々の
飛躍を感じます…。せめて「波耀きて」ではいかがでしょうか。
【ご参考】
★白南風にひきぎはの波耀きて空にきは立つ朱の大鳥居

【詞書】ひとりの時間を何も考えないで、クーラーの効いた部屋でボーと気分を
  放つ
最高のひととき。

☆カフェラッテは55度が丁度よい だあれも居ないだあれも来ない
【詞書】毎年ブドウを送ってくれる友人がいます。今年もシャインマスカットが
  届きました。
☆翡翠色の葡萄一粒含むとき 君のふる里また近くなる
【詞書】さびた身体に油を差して、今年の前半分も無事過ごすことが出来た感謝と、
  後半も健康で暮らせますようにと春日大社の大きな茅の輪をくぐってきました。
☆一年の半分何とか生きてきて春日の杜の茅の輪くぐりぬ
                          夕庵さん
【解説】
 三首の歌は、何れも身近な日常を題材にしながら深い想いも覗き、私たちも
 自らを
振り返えり、考えさせる歌になっています。

 特に三首目の歌は私達共通の実感ですね。特にコロナ禍で諸々規制の中で
 過ごさ
ざるを得なかったこの三年余の日々は、この想いは深いですね。無事に
 一日を、
一か月を、半年を、さらに一年を…と凌いできたとの想いが致します。

 しかもこの「茅の輪」の神事も、神社によっては中止を余儀なくされた経緯も
 ありました。
 二首目の、毎年美味しいシャインマスカットを送ってくれる友人がいらっしゃる
 とは幸せですね。あの皮ごと食す味は格別のおいしさと思います。
 「君のふる里また近くなる」の表現も良いですね。友との関係性も覗きます。

     「咲き初める 芙蓉の花」

【詞書】長男は周囲に気を使う性質のせいで自分のことを後回しにするところが、
  長女、次男と比べると、長所でありながら弱点でもありました。しかし、
  こうして良い会社に転職できたことは長男の人徳からだと思います。どうか
  これに慢心せずに、これからも謙虚な心を忘れずに精進していってほしいと
  思います。
☆長男の優しさ愛でてわが母も義母も義妹も長男を好きき
☆優しさが弱さになれるときもあり心配すること多かりしかな
☆三人の子宝神より与へられ果報者なるわたしと思ふ
                          水仙さん
【解説】
 心優しい長男さんのご栄転を心から祝福させて頂きます。
 二首目の「優しさが弱さになれるときもあり」は、ビジネスの世界で久しく
 言われて
きた事ですが、長く続いた「失われた30年」の中で従来のビジネス
 モデルも見直し
を迫られています。その中で、優しさは弱さでなく、十分な
 強みになる・・・と
見直されてきています。

 人格を構成する要素の中で「相手を思いやれる感性をもつ」ことが、第一義と
 私は
常々考えてきました。私も少なからぬビジネスマン人生の中で、その素養を
 第一に
考えてきましたが大きく誤らなかったと思っています。特にチーム編成の
 中で
メンバーを選ぶ視点として…。

 ご長男の優しさも、作者ご夫妻の薫陶の賜物と思いますが、相手への思いやり、
 さらに真の優しさを身に付け育まれてきたものと考えます。それが今花開いた
 とも・・・。
 三首の歌は、いずれも親の子に寄せる篤い想いに溢れた良い歌と思います。

【詞書】みたままつり 物名
☆ほのかにも
 浴衣の君は
   輝いて
 己はみたまま
     つり合わぬ
         恋
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 7月13日から16日に靖国神社のみたまままつりとフォローしているblog様より
 情報があったので、行ってみると、大きな看板があり、ひらがなで書いてあった
 ので、
『みたままつり』の文字を使った古今集物名の技法を思い付きました。
 これなら
生成AIも作れないだろう⁉️
 もちろんフィリピンで戦死した伯父に、今日有る平和を感謝し、一族の安寧を
 祈念しました。
【解説】
 「みたま祭り」には提灯による「光の参道」が作られるとのこと。献灯(みあかし)
 と呼ばれるこの提灯は人々から奉納されたもので、表面には奉納した企業や個人の
 名前が書かれ、
今年はその総数が大小合わせて約三万灯とのこと。文字通り
 「提灯の壁」が参道の
両側に作られていますね。
 また、物名(ぶつめい)は和歌の遊戯的な技法の一つで、一首の中に事物の名を
 詠み込むものですね。ここでは、
   己はみたまま
        つり合わぬ
 で、「みたままつり」を表していますね。
 夕暮れ時、浴衣が似合う君は匂い立つように素敵で、つい気おくれがしてしまう。
 「つり合わぬ」と感じる自分を励まし宵のデートに参りましょう。と解釈させて
 頂きました。「ほのかにも」のゆかしい表現がいいですね。
 このような技法も取り入れて、短歌の表現を豊かにしていければと思っています。

     「カンナの花 黄色」

【詞書】2023年7月12日の明け方、4時頃の空を詠める。
  何か目が覚めて、朝刊を取りに外に出た時、東の空の方をふと見ると、きれいな
  三日月とそのそばに大きく光る星が目に入りました。後で調べたら木星との
  ことで、木星を見たのは初めてだったので、何か感動してしまいました。
☆明け方の東の空の上弦の
   三日月のそばの木星(ジュピター)美し
【詞書】7月12日の朝刊に載っていた記事を読んで思ったこと。
  さて、我々地球の“人々”は居るのかな?というのはともかく、あまりに急激な
  (地球の歴史からすれば)環境の変化は、一つの地質年代となりそうです。
  戦争や他国と揉めてる人達、いいかげん地球の環境悪化に目をむけてくれへん
  かな…と思うんですけどね。
☆遠い遠い遙か未来の人々は
    「人新生」と呼ぶのか現在(いま)を
【詞書】京都アニメーションのスタジオで起きた事件から4年が経ちました。
  4年経っても遺族の方々、怪我を負った社員の方々、会社をはじめ関係者の方々、
  ファンの方々…の悲しさ悔しさ辛さ痛みは消えないと思います。が、私たちファンが
  できることは、犠牲になられた方々の魂のために祈ることも勿論ですが、京アニの
  作品を以前のものも、今これからのものも、愛し、楽しむことだと思います。
  改めて36名の魂に哀悼の意を表するとともに、怪我をされた方々、辛い思いを
  された遺族の方々、京アニ社員の皆さんをはじめとする関係者の方々へ心から
  お見舞いを申し上げます。「時は流れても悲しみは消えない」私の好きな
  グループが歌うある歌にあるフレーズですが、ほんとにそう思います。
☆7月の18日は祈りの日
      36の夢が消えた日
                          ちがやねこさん
【解説】
 三首の歌は「明け方の木星」「人新生」「京都アニメーションのスタジオ」と、
 作者の独自の視点から詠んで頂きましたが、何れも上質な詩情と、深い想いが
 溢れた
歌と思います。

 特に、三首目はアニメーションの明日を担う36名の命が、理不尽にも一瞬にして
 奪われる事件から4年が経過しようとする今日(7月18日)、改めてその御霊の冥福を
 お祈りしたいと思います。
 下の句は「字余り」となりますが、理不尽にも夢が奪われたとの想いを込めて
 「消された日」と添削させていただきましたが・・・。
 なお、ブログの文字数制限のため詞書の一部を割愛させて頂きました。ご容赦願います。
【ご参考】
★7月の18日は祈りの日
      36の夢が消された日

     「海辺に咲く 浜木綿」  

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆白南風にひきぎわの波匂ひたち空にきは立つ朱の大鳥居
                         みっちっちさん
【詞書】絵画か短歌か、器用ではない私は短歌を選びました。
★サークルのむつかしさ知る引き際をわれは短歌の道を選びぬ
                         夕庵さん
★どうしても別れなければならぬ人 引き際美(は)しき道を選びぬ
                         みっちっちさん

☆カフェラテは55度が丁度よい だあれも居ない だあれも来ない
                         夕庵さん
★何もなき日がふと嬉し 毎日が 元気爆発の我なのだけど
                         みっちっちさん

☆子と孫と妻も記すや短冊に星の祭りの願いはうれし
                         ポエット・M
★短冊に長生きしたいと書いたのも徐々にうすれてほどほどが良い
★百才まで頑張りやぁと息の言葉 嬉しさ半分迷惑半分
                         夕庵さん
★ピンコロの地蔵も祀る故郷の 友の便りに ほどよき余命と
                         ポエット・M
★なつかしきチンチン電車に乗り継いで 鳥居見えたらそこが故郷
                         夕庵さん

☆百才まで頑張りやあと息の言葉 嬉しさ半分迷惑半分
                         夕庵さん
★百才まで頑張るぞおと我言へば 百二十五!とshimaさん言へり
                         みっちっちさん
★shimaさんの覇気こそあればコロナさえ尻尾をまいて逃げて行きたり
                         夕庵さん
★またの名をスーパーダンディーshimaさんと こころ優しき筋肉マンぞ
                         みっちっちさん
★またの名を「筋肉ばあちゃん」と呼ばれしに かなしく今は振り袖を着る
                         夕庵さん
★水泳の体型だねとよく言われ 振り袖ないが着物似合わぬ
                         みっちっちさん
★眼閉じ四肢水面に漂えば 透視さるるや内蔵までも
                         夕庵さん
★不思議なる水のちからよ 浮ひてゐる のみで癒され生くる喜び
                         みっちっちさん
★洪水は命奪いて憎らしも いのち保つも水は不可欠
                         夕庵さん
★ひたむきに水の地球に生きるもの 保ついのちのなんと尊き
                         みっちっちさん
【詞書】佐藤きょうだいは姉と弟
★日の丸を高く掲げぬシンクロの(アーティスティックスイミング)
                   佐藤きょうだいデュエットの金
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆咲き初める芙蓉にまとう蝶二匹 舞い立つかなた夕映えの海
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨の晴れ間に咲き初める芙蓉の花は、艶やかな彩どりを見せています。陽も傾き
 幾つかの花は閉じつつありますが、未だ開いている花もあります。その花に二匹の
 蝶がまとわりつくように留まっています。つがいかも知れませんが、次の瞬間二匹
 とも舞い立っていきました。
 その舞いゆく彼方をみると夕映えの海が広がり、一幅の絵画を見る心地がしました。
 そんな蝶と、情景を詠んでみました。なお、蝶は正式には一頭、二頭と数えるとの
 ことです。


      「生成AIで描いた 芙蓉から飛び立つ蝶と夕映えの海」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著(36)
  ※今回の掲載をもって、本鑑賞は終了とします。
  
9.「死霊」短歌

   ☆絶望の悲哀が胸に木霊する
      亡霊般若 永遠なれ「死霊」  嵯峨吹雪
         註)「死霊」の著者:埴谷 雄高(本名般若 豊)

   傷ついた
     鳥は水面(みなも)を
         すれすれに
           翔んで奏でる
              虹の泡沫

               哲学で
                不可能ならば
                   文学で
                    カントを超えて
                      ドストエフスキーへ

                        比類なき
                          人類愛の
                            イエスだが
                             隣生物への
                               愛は無自覚                            

          宗教も
           はたまた哲学
              文学も
                ある意味にては
                    迷妄迷夢
     神々の
       一人たらんと
          欲するや
            阿部公房が
               論ずる埴谷
 
     「薔薇 マチルダ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は、ブログの文字制限(コードを含めて30,000字)から割愛させて頂きます。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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