四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

月下美人よ

2021年07月29日 16時57分03秒 | 日々の歩み
新型コロナウイルスの新たな感染者の発表が、昨日28日に全国で9000人を超え、
東京都の感染発表は、本日過去最多の3865人となり、感染者が加速度的に増えています。
これに伴って入院患者数もこの1か月で倍増し、都が確保しているとされる病床の
半数はすでに埋まっている状況とのこと。

私の住む神奈川をはじめ、埼玉、千葉の3県でも28日、1日当たりの感染発表が
それぞれ過去最多となりました。
首都圏を中心に急激な感染拡大に歯止めがかからない状況を受け、3県の知事は
本日29日午後、西村大臣と協議したうえで政府に対し3県への緊急事態宣言の
適用を要請する方針とのことです。
政府と、IOCはこれらの状況を踏まえ、最大限の感染対策を具体的に実行していく
責務を負っていると考えます。

このように感染爆発とも言える状況の中で、関係者の辞任、解任等が続き異例ずくめと
言われた、東京2020オリンピックは、ダイバーシティ&インクルージョンを
基本コンセプトとして始まりました。
13年ぶりに復活したソフトボールは、北京大会に続き強国アメリカを下し二連覇を
成し遂げ、新規に取り入れられたスケートボードで13歳の女性が、最年少で金メダルの
獲得を果たしました。
また、女子水泳個人メドレーでは400mに続き、200mでも大橋選手が金メダルを獲得し
二冠に耀きました。等々、話題は尽きませんが…。

五年間にわたり、あるいは13年にわたり自らの存在意義をかけ、血の滲むような努力を
重ねてオリンピックの舞台に立ったアスリートたち、 さらに挑戦するも舞台に立てなかった
多くのアスリートたちのためにも、東京都主催のこのイベントが、彼らの努力に報いる大会と
なるよう、一人の市民として重ねて心からエールを送りたいと思います。

過日、文月の満月の夜、我が家の「月下美人」が開花しました。
細君がかなりの剪定を行い、すっきりとした花株となりましたが、丹精をこめて育てて
くれた甲斐もあり、六輪一斉に咲いてくれました。
例年ですと、一輪、二輪と一週間程度にわたって、さみだれ式に咲いたものですが、
今回は一斉の開花となりました。しかも満月の夜であったため、一層の神々しさも感じました。

皆さんもご存知のように、「月下美人」は 、宵につぼみを膨らませ夜半から咲き始め、
深夜零時過ぎには大輪の花を閉じる文字通りの一夜花です。
艶やかな純白の花弁、黄金の雄蕊と、白の雌蕊のコントラストも見事な花でもあり、
甘やかで、雅びな香りを漂わす気品に満ちた花であります。
さらに、一夜で萎む花ゆえの誇りか、侵しがたい気品をまとった花でもあります。

そんな花に魅せられ、宵から深夜にかけて100枚を超える写真を撮り続けてしまいました。
これはこのところ月下美人が咲く度の、我が家の光景ですが…。
しかし、月下美人の儚げでいながらも、凛とした花の姿を写し取るには未だ私の技術は
もとより、感性が及ばないことも事実です。

なお、「月下美人」に寄せて六首程詠ってみましたが…。

 ☆ 望月の光纏いて耀くや 月下美人の白き極まり
 ☆ 凛と咲き香りもゆかし月下美人 一夜の花の憂い秘めいる
 ☆ 甘やかな香り切なや月下美人 一夜に萎む定め知らざる
 ☆ 艶やかな香り雅びな月下美人 闇照らし行く白き大輪
 ☆ 真夜中に月下美人の香にむせぶ コロナ禍なれど楚々と咲きいる
 ☆ 艶やかな花の命の儚さを 咲き切り示す月下美人よ

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19 コメント

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「秘めた情熱」「強い意志」 (knsw0805)
2021-07-29 19:54:06
Shouさん、こんばんは。
月下美人、素晴らしい花ですね。特に6枚目の写真「黄金の雄蕊と、白の雌蕊のコントラストも見事な花」のコメント通り惚れ惚れします。ひょっとしたらShouさんと知り合って一番感動したかも知れません。私は浅学菲才で無知なために少し調べました。原産地が中国かなと思っていたらメキシコ産だそうで驚きました。 月下美人の花言葉には、「あでやかな美人」「はかない美」「秘めた情熱」「強い意志」などがあるそうですが、私から見た印象は「秘めた情熱」「強い意志」が感じられます。考えて見ればShouさんの人柄にも合致しますね。
さて短歌の6首詠ませて頂きましたが私は、
「凛と咲き香りもゆかし月下美人 一夜の花の憂い秘めいる」が一番気に入りました。
下の句の「~一夜の花の憂い秘めいる」に月下美人の「秘めた情熱」「強い意志」を感じました。それにしてもShouさんらしい素晴らしい花・写真です。感動しました。
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「憂い秘めいる」 (ポエット・M)
2021-07-29 21:52:23
Kenさん こんばんは。
早速、温かな想いの籠ったコメントを頂きありがとうございます。

「月下美人」の写真と文へ、過分なコメントを頂き、恐縮しています。
おっしゃるように、月下美人はサボテンの一種でメキシコの熱帯雨林地帯を原産地としているようですね。
なお、私の人柄にも・・・などと言われると恥ずかしい限りですよ。
ただ、この花の儚さを秘めながらも、凛と咲く姿には強く惹かれます。

Kenさんの短歌の歌評は鋭いですね。「憂い秘めいる」の句に託した
私の想いまで表出する感性は、もともと備わった資質に、さらに作詞で磨かれた
ものでしょうが、「凄い」の一語です。
これからも宜しくお願い致します。
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神々しく神秘的で・・・ (fumiel-shima)
2021-07-29 22:17:52
ポエットMさん、こんばんは。

我が家の月下美人も毎年儚くも神々しい顔を見せてくれますが、今年はまだ先になるようです。
例年はポエットMさんのところと同じように一輪、二輪と咲き、かなり長い間楽しませてくれていましたが昨年は無数の蕾が出来、落ちた蕾も多かったのですがある日、26個が一挙に咲くという珍しいことが起きました。

その所為か中心となる幹が疲労困憊したようで枯れそうになるほど弱ってしまい、幾つかに株分けしてようやく命長らえた・・・という状態でまだ成長段階ですが少し赤みを帯びた部分もあり観察中です。

月下美人はその香りとともに本当に素晴らしい姿を見せてくれますよね。
みんながに静まった夜中にその姿を見せるところが何とも神秘的ですね。
2年ほど前には3月に咲いたこともありました。
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一夜花 (knsw0805)
2021-07-29 23:45:33
Shouさん、返信ありがとうございます。
私はブログを通じてShouさんと交信していますが、文章からその人の人柄や性格が伝わって来ます。この月下美人の花言葉を調べたところ「秘めた情熱」「強い意志」という言葉に、まさにShouさんそのものではないかと確信しました。短歌はいつも私に微笑みかけてくれます。前にも書きましたが何回も短歌を詠みますと、光っている短歌が1首~2首ありまして発句か下の句を深く吟味するとお気に入りが決まります。
「深夜零時過ぎには大輪の花を閉じる文字通りの一夜花」憂い秘めいるがぴったりの花ですね。
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儚くも神々しい (ポエット・M)
2021-07-30 10:26:03
fumiel-shimaさん おはようございます。
コメント頂きありがとうございます。

fumiel-shimaさんのお宅でも月下美人を長年にわたり、丁寧に
育てておられるようですね。26個が一挙に咲くなんて壮観の極みですね。
おっしゃるように一挙にたくさん咲いた次の年は、花付きが悪いとの
印象があります。

おっしゃるように月下美人は「毎年儚くも神々しい」花を付けてくれ、
たとえ一夜とは言え、幸せなひと時を私たちに与えてくれますね。
また、3月に咲くとは奥様の温度管理が、きちんとされている
証拠でしょうね。

これからもよろしくお願いいたします。
返信する
微笑みかける短歌 (ポエット・M)
2021-07-30 10:29:24
Kenさん おはようございます。

月下美人の花言葉「秘めた情熱」「強い意志」という言葉は、
月下美人を表すにふさわしい象徴的な言葉と思います。
この「強い意志」を極限において貫きとおすことは、私の努力目標の
一つではありますが、未だはるかに遠いものと思っています。

Kenさんに微笑みかける短歌が一首でも詠めたら、私にとっても
幸せそのものです。私も花のイメージに喚起されていくつか短歌を
詠んでいますが、月下美人だけは、そのイメージを表現しきれない
もどかしさを感じています。
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オリンピックと月下美人 (すず)
2021-07-30 18:37:02
オリンピックに月下美人は似合いますね。
アスリートたちの熱い思いを そのまま花にしたような、類まれな美しさ。

わが家にもあるのですが、しぼんだ後しか見たことがないのです。
今は外へ出してしまい...
自宅の中には欄の花。こちらは2か月は咲いているでしょうか。
本当に長く楽しめる花です。

月下美人のように、ひと夜の輝き。
「この日のために」ベストを尽くす、アスリートそのものですね。

滅多にみれない美しい花をこちらで鑑賞させて頂き、ありがとうございます。
返信する
月下美人は (ポエット・M)
2021-07-30 20:23:52
すずさん こんばんは。

「もっと力強く‼
 夢を諦めない‼
 そんな楽曲にしてみようと...」そんな思いの籠った曲を再度すずさんのブログで
 聴かせて頂きました。まさに「The Tokyo Olympics」バージョンに なっていると思います。

なお、コメント頂きありがとうございます。

「オリンピックに月下美人は似合いますね」は、おっしゃる通りですね。
月下美人の神々しいまでの純白の花を眺めていますと、一瞬とも言える
舞台のために、5年間にもわたる血の滲むような努力を重ねてきた
アスリーと達の、熱い想いの結晶のような花とも感じます。

月下美人は23時ごろが見ごろで、香りもかなり濃厚と感じます。
25時頃には萎んでしまいますので、朝方には残念な姿になっていますね。

それに比べると胡蝶蘭等、蘭の花はかなり長く花時を楽しめますね。
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ポエットMさんお早うご座います (yama1411)
2021-07-31 09:06:08
 月下美人、見事に撮られましたね、見惚れています。愛情がひしひしと感じられてポエットさんのお人柄が偲ばれます。
 私は一度だけ月下美人の撮影のチャンスに恵まれましたが、撮影がなかなか難しく苦心した経験を持っておりますが、この花の妖艶な美しを捉えられたのは素晴らしく感嘆治まりません。
 短歌も好みの句揃いですね、中でも、
☆甘やかな香り切なや月下美人 一夜に萎む定め知らざる
☆艶やかな香り雅びな月下美人 闇照らし行く白き大輪
 が特に印象に残っています。
 素晴らしいアルバムを見せて頂き感謝です。
 
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温かなお心遣い (ポエット・M)
2021-07-31 12:32:06
yama1411さん こんにちは。

温かなお心遣いの籠ったコメントを頂き、ありがとうございます。
yama1411さんの写真の足元にも及びませんが、「見事に撮られ」と
おっしゃって頂くと励みになります。

yama1411さんもかつて、月下美人を撮影されたとのこと。
その画像は是非とも拝見したいです。yama1411さんの撮られる風景写真と同様に、
詩情溢れる絵になっていることと思います。

短歌の歌評を頂き嬉しいです。とって頂いた
「甘やかな香り切なや月下美人 一夜に萎む定め知らざる」の
一首は、詰めが甘いですが、私も好きな歌です。
香りが最高潮に達する刹那、萎んでいく花の命の哀しさを、
もっと突き詰めて表現できればと思ってしまいます。

これからも宜しくご指導頂けれ幸いです。
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