四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

箱根紅葉狩り

2017年11月24日 20時30分00秒 | お出かけ
過日、勤務の無かったウイークデーに、かねてから「綺麗な紅葉を見たい」との
細君からのリクエストもあり、箱根にドライブを兼ねて行って参りました。
私の住まいの周辺の広葉樹は、先ごろの10月台風に叩かれたこともあり、紅葉に染まる
こともなく、すっかり落葉し見る影もない有様ですので、思い切って出かけてみました。
なお、細君は風邪気味ですが、体調が許せば箱根小涌園ユネッサンにも寄ろうとの計画とともに…。

いつもより遅い朝9時に出発し、逗子、鎌倉を経て西湘バイパスにのり一路箱根に向かいました。
途中、西湘バイパスの道路が工事中で車線規制もあり、ウイークデーにも関わらず渋滞がありました。
これは過日の台風で、海沿いの道路がかなりの被害にあったとのこと。



箱根旧道は箱根湯本前から渋滞が始まり、全然進まない状況でしたので急遽予定を変えて
箱根新道に入りました。この選択は正解で渋滞に合わずに芦ノ湖までスイスイと進みました。

道路の周辺の木々と、渓谷が程よい紅葉に彩られ、車窓からも黄葉と紅がグラデーションを成し、
正に目の保養が出来ました。

細君の体調はやはり、いまいちで小涌谷ユネッサンはあきらめ、久しぶりに
「成川美術館」へ・・・。美術館の駐車場に車を止めてびっくりです。



園内のモミジが色鮮やかな紅に染まっていました。ここには幾たびか訪れていますが、
現役の時代でもあり連休を使っての為、紅葉シーズンには来たことがなかったです。

美術館の今回の展示は「開館30周年記念特別展 戦後日本画の山脈」と銘打ち、展示作品も豊富で
かなり見ごたえがありました。美術館のスタッフの方に「撮影の許可を」と伺うとフラッシュを使用
しなければオーケーとのことで、早速、館内の様子と共に、作品も何点か撮影させて頂きました。

    米谷清和「雪の日」


    松本 勝「月下美人」

ここには、常設も含めて平山郁夫氏の「敦煌鳴沙」、山本丘人氏の「地上風韻」をはじめ、
そうそうたる日本画家の大作が多数展示されています。

  平山郁夫「敦煌鳴沙」


 山本丘人「地上風韻」


  麻田辨自「花しょうぶ」


  平岩洋彦「秋の渓」 


  平岩洋彦「白景」

また、皆さんもご存知のことと思いますが、この美術館の良さは芦ノ湖と周辺の山々、
さらに晴れた日には富士山が一幅の絵画のように見渡せるラウンジがあることです。
まさに大きな額縁の中に蒼い芦ノ湖と、冠雪の富士、さらに赤い鳥居の点景がこの上ない
バランスで並び、人の創作する絵画越えた美を表現し、眺める私たちを圧倒してきます。



美術館の庭園にも出てみました。10月桜が数本植えられ、ちょうど花時でもあり、
蒼い湖を背景に、振るえるように小さな花が健気に咲いていました。

庭園から眺める芦ノ湖の景観もまた、格別のものがありました。箱根の秋はどこを
切り取っても絵になるとの実感を持ちました。
本物の絵が放つオーラに圧倒されながら、その感動も冷めやらぬまま、美術館を後に
しましたが周辺のモミジは、今は盛りの旬の輝きを見せていました。

昼時でもあり、湖畔にある「絹引きの里」というお蕎麦屋さんで食事をすることにしました。
ここは絹引きうどんが名物ということで、カツ丼とセットになった絹引きうどんを頂きました。
絹引きうどんとは、ごぼうの搾り汁を小麦粉に練り込んだうどんとのことで、絹のような
滑らかなのど越しは、まさに「絹引き」の名にふさわしいものでした。



食事の終わるころから、細君の体調が悪くなり、仙石原のススキの原等の観光も取りやめ
急遽帰路につきました。やはり、風邪が重くなったようで翌日は病院に行くことにしました。

こんな状況を踏まえ、即興で短歌に詠ってみました。ご覧いただければ嬉しいです。
  ☆ 夕あかね 映してもみじ葉湖(うみ)に散る 錦秋箱根の象徴として
  ☆ 湖(うみ)の果て黄金と赤に染め上げて 落暉しずもり帆船も染め
  ☆ 夕映えに黄金に染まる湖(うみ)静か かの秀吉の茶室思えり
  ☆ 峰走る 箱根錦秋湖(うみ)を染め 航跡さえもくれないと成す
  ☆ 人の成す創造の美の極致なり 「成川」圧する 郁夫「敦煌」
コメント
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