ありがとう

　この三月で文字通りビジネスマン人生に終止符を打つことが出来ました。
民間企業の定年・再任用後、4年間にわたり自治体外郭団体の、さる財団をこの三月で退職し二回目の
定年となりました。引き継ぎメンバーのいないこともあり、契約を一年延長しての勤務でした。

　四月からは悠々自適との生活も考えましたが、かつてのコンピュータ関連の技術を生かせる仕事の
紹介があり、細君とも相談し週二、三日程度の短時間の仕事を、ボランティアを含めて行うことにし、
この四月一日から仕事に就きました。

　三月末の定年の日には、勤務終了後海辺のスパハウスに行き、細君から慰労会を兼ねた晩さん会を
開いてもらいました。
天然温泉と、露天風呂から望む東京湾と対岸の千葉の灯りに癒され、風呂上がりのジョッキビールの
味と、細君の温かな心遣いに心地よい酔いを味わい、改めて来し方を振り返ることが出来ました。

　長い長いビジネスマン人生。若くして結婚したこともあり貧しい家計をやりくりしながらも、
泣き言ひとつ言わずに静かに微笑んで凌いでくれた日々が鮮明に思い出されました。

　黎明期から熟爛期に至るまで身を置いたコンピュータ業界。心身の消耗戦ともいえる過酷な
仕事の中でくたくたになって迎える週末を、バーデーゾーンや温泉に誘ってくれ、さりげなく癒し、
支えてくれた細君の心遣いを今でも懐かしく、感謝と共に思いだします。

　これからの日々、時間的、精神的なゆとりも取れることから、今まで望みながらもなかなか
実現できなかった当たり前の日常。その日々を大切に、慈しみながら仲良く過ごしていけたらと
思っています。