ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

”かみの使い”白鳥・・・「白鳥伝説」 谷川健一

2014-02-11 23:17:34 | ひとりごと

 越辺川に遊ぶ白鳥

 

     「白鳥伝説」 谷川健一

”かみの使い”白鳥・・・

この本には思い出がある。タイトルに惹かれて、買うつもりで手にしたことがある。”パラパラ”とめくって、少しだけ内容を目にすると、タイトルに似合わず、意外と難解そうな言葉の羅列で、その時は"馴染めない"と思って、そっと戻して買わずに帰った。・・・まだ、古代の歴史にも神社仏閣にも、とりわけ興味を持っていない若い頃の話。

そんな思いが、記憶に残っているためか、図書館で借りた。・・・何が興味があって、この本を読もうとしたかは、このブログでも度々書いたが、”鉄と神社"の関係をもう少し深掘りしたかったためである。知っている人には今更の冗長であるが、谷川健一は、縄文と弥生の対比から、鍛冶族と言われる物部一族の関東・東北への拡散の過程で、現地人(蝦夷人/蝦夷)を一部は和合・同化しながら、大部分を北(東北)に追いやった歴史を、遺跡を確認しながら論じている。・・・内容がないようだから,読書は遅々として進まない。得意な斜め読みや流し読みは、この本では通用しない。タイトルのやさしさとは裏腹に、かなり手強い。

ここで、紹介する気になったのは、時折訪れて眺めている、”越辺川の白鳥”は、実は、”えみし=蝦夷”にとっては、”神の使い、神の鳥”だったのではないか、と様々な証拠を上げて論じていることである。・・・そう言われて、改めて眺めれば、白鳥は”かみの使い”のようににも思える。・・・「白鳥伝説」、このことを伝えたくて、いまブログを書いている。

”アラハバキ”の谷川健一の解釈は、氷川神社のところで書いた内容に訂正を加える必要が無いことを確認させてくれた。さらに、付け加えるならば、関東に幾多存立する”氷川神社”の中で、”アラハバキ”を祀る神社があるとすれば、その地は、大和族と現地人(蝦夷人/蝦夷)が争わず和合した土地ではなかったかという思いに至る。