釜山神社と風布、と かえるの神社
釜山神社
寄居町風布
狼が、なぜ神社を守るのだろうか。
こんな単純な疑問が頭から離れない。秩父の山奥の三峰神社にも、狼の石像が周りを囲み、この奥武蔵の丘陵(外秩父山系とも)の釜伏山の釜山神社も狼の石像が散在する。
奥秩父も、秩父も、外秩父も、いずれも山岳信仰の地であり、人口に比して、これほど寺の多い地区は見たことがない。かつて山岳で修行する人達を修験者と呼んだが、またの名を山伏とも言う。山伏は、山の武士なのか、それとも犬(狼)を連れた杣人なのか。伏の字は、人に犬と書く。関係はあるのだろうか。
この神社には、写真のほか、まだまだ狼狛犬がある。中にはかっぱの様な顔の狼(山犬)もあるし、きつねと覚しき動物像もある。狼と山犬と狛犬ときつねの同居もめずらしい。
釜山神社の脇の細道があり、日本水の源泉地への道の案内がある。今は岩盤崩落の危険から立ち入りが禁止されている。日本水には伝説がある。
その昔、日本武尊が東征の折、戦勝を祈願して釜伏山中腹の「百畳敷岩」と呼ばれる大岩壁に剣を突き刺したところ、たちまち湧き出したという。
岩盤は、蛇の模様の蛇紋岩で出来ていて、風布川の河原の石も同様である。湧き出す水の量は多く、干ばつの時でも水量を変えないところから、伏流水ではなく地下水と見られているが、何故山頂付近から地下水が湧くのか、不思議な話である。
ちなみに、日本水はやまとみずと読むのだそうだ。
林道を下ると、日本水の水くみ場があり、車が3台道脇に駐車し、ポリタンクを二三十個並べて詰めている。谷川を挟んで反対山からの湧き水なので、どうも日本水(やまとみず)とは違いそうだが・・・、水質は、ほぼ同じなのだろう。
風布に降りる。
風布・・ふうぶ、と読むのが正しいのだと聞く。どうも、この地名を覚えた時から、ふっぷ、と呼んでしまう。この地の古老で、ふっぷ、と呼ぶ人もいるらしいので、ふっぷで許して貰おう。
はじめて風布の地名を記憶したのは、かれこれ20年前ぐらい。花園インター手前のサービスエリアで、みかん園の案内を目にして、埼玉でみかんに驚き、12月始めにみかん園にみかん狩り行ったのが始まりです。風布の名前にも惹かれる物がありましたが、荒川の川辺より高台の風布の方が気温が高い不思議にも、印象を深くしました。
転記
風布に姥宮神社があります。とめみや神社、と読むのだそうです・
ここには狼ならぬ、かえる、が鎮座しています。
なんともユーモラスで愛らしい。所以は調べないで、想像だけしときましょう。この神社は、かなり好きです。
子のせの、親子がえる。
かえる石でしょうか。
・・・恋人かえる、父かえる、母かえる、故郷へかえる、・・・なぜか懐かしい。
不思議、いっぱいの風布。
風布のみかんの謂われだけ、書いておきます。
昔、小田原に北条家があり、川越に扇谷上杉家があった戦国期の始め、北条が上杉を川越に攻め、一夜にして北条が勝ち、上杉が敗れたという戦いがありました。勝った北条は、川越を関東支配の拠点として治め、外敵に対する防御の城を幾つか造りました。その一つが、寄居の鉢形城です。そして城主には、小田原北条の重臣がなり、上野国(群馬)の支配と強敵武田信玄の侵攻の防御を兼ねました。信玄の侵攻の先行部隊は真田軍団でしたが、真田に秩父の町と寺は八割ほど焼き払われたそうです。
北条氏邦は出身が小田原近くの伊豆の多賀城でした。北条氏邦は自分の城の近くの風布が温暖で、地形も故郷に似ているので、みかんを故郷から取り寄せ、栽培させました。
これが、風布のみかん園の始まりだそうです。
多賀城(熱海市)は、伊豆宇佐美と熱海の中間あたりの、平地の少ないところです。
江戸時代、寄居とこの地区は、関東郡代の伊奈家の支配地で、伊奈家の代官の大河内金兵衛が支配しておりました。大河内家は、後に名老中といわれた、知恵伊豆の松平信綱の生家です。寄居には金兵衛の陣屋もありました。伊奈家の支配地の税率は四公六民だと言われています。六公四民が普通の時代、どう見ても生産力の乏しいこの地は、それでやっていけたのでしょう。あるいは、米に変わる税の樽木などが安かったのでしょうか。明治時代になり、税の公平化で、特例がなくなり、この地は急速に困窮します。それが原因かどうかは分かりませんが、農民の乱が起こります。
風布を、すこし違った角度から紹介しているブログがあります。
下記に、貼り付けますので、見て下さい。
http://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/e/0a25e1bd26e17d9fc853a5a9e3ecaff9?fm=entry_awc
http://blog.goo.ne.jp/musshu-yuu/e/676922564049427625634e1c4397a746
後日談 姥宮神社(かえるの神社)で、屋根に興味深いものを、見つけました。
つぎに、少し調べてから、調査結果を書きます。風布は不思議の多いところです。