前回は、江古田のオール300円中華『龍厨房』について書いたが、
杉並区の方南町にも、すべてのおツマミを300円で出す居酒屋がある。そのお店の名は『一心太助』。
私は知らなかったが、一心太助とは歌舞伎や講談に登場する、江戸っ子的な気風のいい人物の名で、本職は魚屋らしい。
こちらのお店も、かつては魚料理が主体の店だったそうだが、いつの間にか、何でも提供するようになったとか。
ただ、300円前後の価格均一居酒屋なら、『鳥貴族』などのチェーン店もあるが、ここ一心太助のすごいところは、
明らかに300円では出せない料理が多数存在していることだ。
こちらが卓上のメニュー。しっかりオール300えんと記載してある。
「刺身盛合わせ」に始まり、「ロースかつ」「鉄火丼」など、普通なら300円では出せなそうなメニューが目立つ。
唯一、右段の最上位にある「うな丼」だけは、最近600円に値上げしたそうだが、それでも破格である。
右下にはドリンクも記載してあり、生ビールも300円。びんビール大ですら400円である。安い!
驚いたことに、他にもメニューがあり、こちらのお手軽料理はオール200えんだ。
まるで立ち飲み屋価格だが、こちらの店はもちろんイスがある。2階には座敷席もあり、大人数にも対応できる。
1階は、入口から遠い厨房近くのテーブル席と、入口近くのカウンター席は、常連専用のようだ。
カウンター席は5つあり、先客がふたりいたが、初訪問時の私は、入口近くの4人テーブルに、ひとりで座らされた。
お客さんに、窮屈な思いをさせないよう、心掛けているのかな。ありがたいけど、ひとりテーブルはちょっと気まずい。
まずはびんビール大をオーダー。すぐに紙おしぼりと一緒にお通しが出てくる。
この日は玉子焼きとケチャップスパゲティだが、これにひと口ポテサラが追加されることも。ちなみにお通しは200円。
ビールを持ってきたおばちゃんに、おつまみとして「ハンバーグ」と「ギョウザ」を注文。
しばらくすると、厨房から料理長兼店主のオヤジさんが出てきて、初見客の私に対し、
「ウチの店のことわかってる!?」と、いきなり問いかけてきた。
「い、居酒屋さんですよね…」と返答した私に、オヤジは返答せずに「フッ」と鼻で笑い、厨房に戻っていった。
先述の通り、一心太助はメニューにも真っ先に魚介料理が記載されている通り、魚料理が得意なお店である。
なのにハンバーグや餃子なんて頼んだ私を、店主は「こいつはわかってねーな」と思ったのか。
注文ミスったかなあ…とやや後悔していた私の元へ、ハンバーグがやってきた。
「えっ!?」と思わず声が出る、ジャンボサイズではないか。
たっぷりの野菜とポテトフライ、そしてハンバーグにはカレーソースとゴマドレッシングがかかっている。
これで300円でいいのだろうか…と困惑する私へ、立て続けにギョウザまでやってきた。
盛り付けはテキトーだが、普通サイズの餃子が10個も! しつこいが、これも300円である。
さきほどの店主の問いは「ウチの店は多いよ。わかって頼んでるの!?」という意味だったのだろう。
ただでさえ安いのに、量まで多いとは…なんていい店なんだ!
実はこれらの料理、冷凍食品である。なぜわかったかといえば、先ほど厨房から出てきて私に声をかけたオヤジが、
客席の奥にある冷凍庫から、冷凍ハンバーグと味の素ギョーザを持ち出すのを目撃したので。
ただし、冷凍食品を使えば手間はかからぬが、その分原価がかかってしまう。
写真のハンバーグ、実はかかっているカレーソースもレトルトだし、ポテトや野菜なども加えると…
私の計算だと原価は250円くらい。実際はもう少し高いかもしれない。
ギョウザに至っては、業務用の100個入りとかではなく、家庭用の12個入りを使用していた。
これって、スーパーの特売でも260円くらいするよね? それに野菜まで付けては…儲けなんて出ないだろう。
そういえば、12個入りなのにお皿には10個しかなかった。オヤジが2個つまみ食いしたのかな(笑)
ヘビーなおツマミで満腹になったが、よせばいいのにシメの食事も注文することに。
「牛丼」も気になったが、ご飯物は入りそうもないので、ツルッと食べられそうな「冷やしつけめん」を選択。
冷やしつけめんは、さほど多くないので安心したが、300円という価格で考えると、やっぱり異常。
今流行している、濃厚魚介豚骨タレと極太麺の組み合わせではなく、昔なつかしいゴマダレに中細麺だ。
具はモヤシと紅生姜と豚肉。実は麺の下にも肉が2枚隠れていた。
つけダレの中にはネギも沈んでいたが、写真のように繋がっているのはご愛敬。
かなり満腹になったので、残念ながら麺と肉を少し残してしまい、御会計。
ビール大びん2本、カレーがけ巨大ハンバーグ、餃子10個、冷やしつけ麺にお通し。
これだけ飲み食いして、なんと1900円! 絶対おかしいよ。
あまりの安さに、ドケチの私が2千円を出して「お釣りはいいです」と言ってしまうレベル。
私が3ケタのチップ(?)を払ったのは、ここ数年記憶がない。それだけ気に入った、ということだ。
翌日、いきなり再訪したら、店主に「おお、今日も来たのか!」と驚かれた。
その後も何回か通ったので、注文したメニューを、以下でいくつか紹介していく。
まずは200えんメニューから「コーンバター」を。
ベーコンなどはなく、コーンとバターと少量の粉チーズのみだが、コーンの缶詰をひとつ丸ごと使っている。これで200円とは!
こちらは、私にムリヤリ呼び出された、方南町在住の友人が頼んだ「ツナサラダ」。
彼は私と違い健康志向で、野菜を欠かさないようだが、こんなにツナとドレッシングが山盛りでは、健康もクソもない。
続いては、不健康志向な私が頼んだ「カレーライス」。一応「ご飯少な目で」と頼んでおいたのだが…。
レトルトカレー(?)に具材を加えるタイプで、この日の具は玉ねぎ、ジャガイモ、エビに、豚肉6枚。
豚肉は、つけ麺にも使われていたヤツで、妙に肉質がしっかりしていて、またもや残してしまった。申し訳ない!
これは、メニューに載っておらず、店内の壁に貼ってあった「天ぷら盛合わせ」。
エビ2、謎の白身魚2、長芋2、カボチャ、なす。これで300円。どうしてこの価格に!?
こちらも同じく壁紙メニューの「フライ盛合わせ」。
組み合わせは毎回違うようで、写真のはエビ2、じゃがいも(ポテトフライではない)2、マグロ2にメンチカツ1、
そして、なぜかミニおにぎりが付いてきた。弁当かよ!?
しつこいけど、なぜこれで300円なんだ!?
他にも、「ロースかつ」は2枚、「鳥から」は山盛り、ホッピーはジョッキの6~8割が焼酎と、
何を頼んでもビックリさせられること必至。
どの料理も、ひとりでは持て余すだろうから、訪問時はぜひ大人数で。
どなたか、「みんなで行こう! 一心太助ツアー」、企画してくれないかね。
一心太助
東京都杉並区方南2-12-27
地下鉄丸ノ内線方南町駅2番出入口から徒歩90秒
営業時間 17時くらいから23時くらいまで
定休日 日曜、たまに月曜も休む場合あり
※食べログに掲載されている電話番号は現在使われておりません
杉並区の方南町にも、すべてのおツマミを300円で出す居酒屋がある。そのお店の名は『一心太助』。
私は知らなかったが、一心太助とは歌舞伎や講談に登場する、江戸っ子的な気風のいい人物の名で、本職は魚屋らしい。
こちらのお店も、かつては魚料理が主体の店だったそうだが、いつの間にか、何でも提供するようになったとか。
ただ、300円前後の価格均一居酒屋なら、『鳥貴族』などのチェーン店もあるが、ここ一心太助のすごいところは、
明らかに300円では出せない料理が多数存在していることだ。
こちらが卓上のメニュー。しっかりオール300えんと記載してある。
「刺身盛合わせ」に始まり、「ロースかつ」「鉄火丼」など、普通なら300円では出せなそうなメニューが目立つ。
唯一、右段の最上位にある「うな丼」だけは、最近600円に値上げしたそうだが、それでも破格である。
右下にはドリンクも記載してあり、生ビールも300円。びんビール大ですら400円である。安い!
驚いたことに、他にもメニューがあり、こちらのお手軽料理はオール200えんだ。
まるで立ち飲み屋価格だが、こちらの店はもちろんイスがある。2階には座敷席もあり、大人数にも対応できる。
1階は、入口から遠い厨房近くのテーブル席と、入口近くのカウンター席は、常連専用のようだ。
カウンター席は5つあり、先客がふたりいたが、初訪問時の私は、入口近くの4人テーブルに、ひとりで座らされた。
お客さんに、窮屈な思いをさせないよう、心掛けているのかな。ありがたいけど、ひとりテーブルはちょっと気まずい。
まずはびんビール大をオーダー。すぐに紙おしぼりと一緒にお通しが出てくる。
この日は玉子焼きとケチャップスパゲティだが、これにひと口ポテサラが追加されることも。ちなみにお通しは200円。
ビールを持ってきたおばちゃんに、おつまみとして「ハンバーグ」と「ギョウザ」を注文。
しばらくすると、厨房から料理長兼店主のオヤジさんが出てきて、初見客の私に対し、
「ウチの店のことわかってる!?」と、いきなり問いかけてきた。
「い、居酒屋さんですよね…」と返答した私に、オヤジは返答せずに「フッ」と鼻で笑い、厨房に戻っていった。
先述の通り、一心太助はメニューにも真っ先に魚介料理が記載されている通り、魚料理が得意なお店である。
なのにハンバーグや餃子なんて頼んだ私を、店主は「こいつはわかってねーな」と思ったのか。
注文ミスったかなあ…とやや後悔していた私の元へ、ハンバーグがやってきた。
「えっ!?」と思わず声が出る、ジャンボサイズではないか。
たっぷりの野菜とポテトフライ、そしてハンバーグにはカレーソースとゴマドレッシングがかかっている。
これで300円でいいのだろうか…と困惑する私へ、立て続けにギョウザまでやってきた。
盛り付けはテキトーだが、普通サイズの餃子が10個も! しつこいが、これも300円である。
さきほどの店主の問いは「ウチの店は多いよ。わかって頼んでるの!?」という意味だったのだろう。
ただでさえ安いのに、量まで多いとは…なんていい店なんだ!
実はこれらの料理、冷凍食品である。なぜわかったかといえば、先ほど厨房から出てきて私に声をかけたオヤジが、
客席の奥にある冷凍庫から、冷凍ハンバーグと味の素ギョーザを持ち出すのを目撃したので。
ただし、冷凍食品を使えば手間はかからぬが、その分原価がかかってしまう。
写真のハンバーグ、実はかかっているカレーソースもレトルトだし、ポテトや野菜なども加えると…
私の計算だと原価は250円くらい。実際はもう少し高いかもしれない。
ギョウザに至っては、業務用の100個入りとかではなく、家庭用の12個入りを使用していた。
これって、スーパーの特売でも260円くらいするよね? それに野菜まで付けては…儲けなんて出ないだろう。
そういえば、12個入りなのにお皿には10個しかなかった。オヤジが2個つまみ食いしたのかな(笑)
ヘビーなおツマミで満腹になったが、よせばいいのにシメの食事も注文することに。
「牛丼」も気になったが、ご飯物は入りそうもないので、ツルッと食べられそうな「冷やしつけめん」を選択。
冷やしつけめんは、さほど多くないので安心したが、300円という価格で考えると、やっぱり異常。
今流行している、濃厚魚介豚骨タレと極太麺の組み合わせではなく、昔なつかしいゴマダレに中細麺だ。
具はモヤシと紅生姜と豚肉。実は麺の下にも肉が2枚隠れていた。
つけダレの中にはネギも沈んでいたが、写真のように繋がっているのはご愛敬。
かなり満腹になったので、残念ながら麺と肉を少し残してしまい、御会計。
ビール大びん2本、カレーがけ巨大ハンバーグ、餃子10個、冷やしつけ麺にお通し。
これだけ飲み食いして、なんと1900円! 絶対おかしいよ。
あまりの安さに、ドケチの私が2千円を出して「お釣りはいいです」と言ってしまうレベル。
私が3ケタのチップ(?)を払ったのは、ここ数年記憶がない。それだけ気に入った、ということだ。
翌日、いきなり再訪したら、店主に「おお、今日も来たのか!」と驚かれた。
その後も何回か通ったので、注文したメニューを、以下でいくつか紹介していく。
まずは200えんメニューから「コーンバター」を。
ベーコンなどはなく、コーンとバターと少量の粉チーズのみだが、コーンの缶詰をひとつ丸ごと使っている。これで200円とは!
こちらは、私にムリヤリ呼び出された、方南町在住の友人が頼んだ「ツナサラダ」。
彼は私と違い健康志向で、野菜を欠かさないようだが、こんなにツナとドレッシングが山盛りでは、健康もクソもない。
続いては、不健康志向な私が頼んだ「カレーライス」。一応「ご飯少な目で」と頼んでおいたのだが…。
レトルトカレー(?)に具材を加えるタイプで、この日の具は玉ねぎ、ジャガイモ、エビに、豚肉6枚。
豚肉は、つけ麺にも使われていたヤツで、妙に肉質がしっかりしていて、またもや残してしまった。申し訳ない!
これは、メニューに載っておらず、店内の壁に貼ってあった「天ぷら盛合わせ」。
エビ2、謎の白身魚2、長芋2、カボチャ、なす。これで300円。どうしてこの価格に!?
こちらも同じく壁紙メニューの「フライ盛合わせ」。
組み合わせは毎回違うようで、写真のはエビ2、じゃがいも(ポテトフライではない)2、マグロ2にメンチカツ1、
そして、なぜかミニおにぎりが付いてきた。弁当かよ!?
しつこいけど、なぜこれで300円なんだ!?
他にも、「ロースかつ」は2枚、「鳥から」は山盛り、ホッピーはジョッキの6~8割が焼酎と、
何を頼んでもビックリさせられること必至。
どの料理も、ひとりでは持て余すだろうから、訪問時はぜひ大人数で。
どなたか、「みんなで行こう! 一心太助ツアー」、企画してくれないかね。
一心太助
東京都杉並区方南2-12-27
地下鉄丸ノ内線方南町駅2番出入口から徒歩90秒
営業時間 17時くらいから23時くらいまで
定休日 日曜、たまに月曜も休む場合あり
※食べログに掲載されている電話番号は現在使われておりません