経営戦略や事業戦略の策定では、陥りやすい罠がある。
先行きを予想し現状を分析、あるべき姿を創造し、戦略課題を探っていく。
戦略策定のプロセスは、なかなか厄介であるし、面倒でもある。
もっと他にやることあるだろうと、投げ出したくもなる。
そんな時、経営のうまくいっている会社の戦略をお手本にして、
我が社でもそれを真似てみたらという、誘惑にかられることがある。
こうした気持ちは分からないでもないが、これは失敗に終わるケースがほとんどである。
会社によって強みや弱み、持てる経営資源の質や量も違う。
自社の資源や能力を棚上げして、戦略だけが一人歩きしても、結果が出ないのは当然だ。
それどころか、戦略が暴走して経営を窮地に落とし入れる危険性さえはらんでいる。
自社のもつヒト・モノ・カネや組織力、見えざる資源などを踏まえ、
それに合致した、独自の戦略を立案しなければ、いい結果には結びつかない。
なかなか厄介なことではあるが、
ここはやはり辛抱して総力を結集し、「身の丈」にあった戦略構築が必要だ。
もっとも身の丈にあった戦略とは云っても、なにも現状維持でいいというわけではない。
身の丈に合った、挑戦的で野心的な経営戦略を構築していくことが大切なのだ。