ウチの営業は、まさに臨機応変、その場その場の対応が生命線です。
ある営業マネジャーの言葉です。
確かに顧客の要求は様々ですし、
営業は人が人に対して実施するものですから、ある部分はそれが当てはまりますね。
しかし、そのままでは“個人商店の集まり”にしかならず、
営業成果を向上させることは、個人個人の努力に依存するしかありませんね。
ところで営業活動のビジネスチャンスをどんな状況で捉えたらよいでしょうか。
顧客から提案と見積書を持ってきてくれと云われる状態は、
商談のキッカケにはなりますが、本当のビジネスチャンスではありません。
云われてからですから、その瞬間はとても忙しく、それこそ臨機応変です。
競合企業の担当者もその情報はつかんでいるし、相見積もりの可能性も高いですね。
このように顧客の要求が顕在化した状態に対応していては、
よほどの差異化要因でもない限り、商談を優位には運ぶことは難しいですよね。
本当のビジネスチャンスは、
商談が顕在化する前のもっと早い段階にあると捉えることもできます。
顧客のイベントや新規出店、新製品の開発企画、人事異動、来年度計画策定など、
顧客の何らかの変化の中には潜在した購買需要が発生します。
このような変化をビジネスチャンスとして捉え、
その優先順位の高いものに対して、早い段階から計画的に、
顧客の潜在化した購買需要を顕在化させていくプロセスに営業の側から商談を組み立てます。
早い段階から顧客との商談をリードしますから、他社をブロックすることも可能です。
営業活動は顧客の見積りなど顕在化した要求に答えることと、
商談が顕在化する前から顧客にどのような働きかけを行うこととの組み合わせです。
臨機応変、その場の対応だけが営業の生命線ではありません。
顧客の要求が顕在化する前に、計画的に種まきをすることも、営業活動の生命線です。
営業マネジャーに答えました。