シニア起業では、いままでの経験を生かして起業!が圧倒的に多い。
しかし定年を迎えてのいきなりの起業で、うまくいくほど現実は甘くはない。
賢明なシニアなら、経験だけで成功するとは思ってはいないだろう。
事実、会社とつながっていた人脈は、定年後にはバッサリと断ち切られることが多い。
こちらが期待しているほど、周りは関心をもってはくれないものだ。
関係先や販売先も、ゼロからのスタートを覚悟しておかねばならない事態もある。
それどころか、いままでの経験が足かせとなり、新しい事態に対応できなくなることもある。
起業の世界では、1000本ノックを受けるといわれるが、
厳しい市場での競争に耐えうるためには、
会社での経験を1000本ノックに耐えうるまで、研ぎ澄まさなければならない。
会社での経験を体系化、標準化、ノウハウ化しておくことも必要だ。
場合によっては、社会人大学院などで学び、経験を理論化することも必要となる。
中小企業の門をたたき、事業経営の現場、イロハを学ぶことも必要となるかもしれない。
そうなると、経験を生かしての起業といっても、定年後からではとても無理で、
気力も体力も充実している40代、50代からの、早めの準備がどうしても必要となる。
いやいや、それほど大袈裟には考えていない。
定年後の暇つぶしくらいになれば程度でと云う方もいるかもしれないが、
それで事業が成り立つと思うのは、大いなる勘違い・・!
現在は会社設立の要件や手続きも簡単になり、
融資の助成制度もかなり充実してきて、起業しやすい環境にある。
しかも先の読めない緊張感の中に身をおけば、脳も刺激され、日常生活も活性化する。
シニアには真さに願ったり、かなったりではあるが、起業にはリスクが付き物だ。
経験を生かしての起業で痛い目にあわないためには、早いうちからの準備が必要だ。